ニュース速報

ビジネス

日銀、追加緩和ツールは多数ある=若田部副総裁

2020年10月17日(土)11時25分

 日銀の若田部昌澄副総裁は16日、日銀は景気刺激や円高のインフレへの悪影響の軽減に向けて金融政策を一段と緩和する必要があると判断した場合、拡張可能なツールやプログラムを多数保有していると述べた。ダブリンで昨年2月撮影(2020年 ロイター/CLODAGH KILCOYNE)

[東京 16日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は16日、日銀は景気刺激や円高のインフレへの悪影響の軽減に向けて金融政策を一段と緩和する必要があると判断した場合、拡張可能なツールやプログラムを多数保有していると述べた。

日銀が為替レートを直接目標にすることはないが、為替の動きは日本経済に「極めて重要な」要素で、注意深く見ていると指摘。「インフレのダイナミクスが為替動向によってさらに侵食されたり、弱められると判断すれば、政策的措置を取ることを考えるべきだ」とセミナーで語った。

積極的な金融緩和を提唱する若田部氏は、「金融政策の運営にあたっては革新的である必要がある」と発言。超緩和的な金融政策を長期にわたり維持できることが、これまでの経験で示されていると述べた。

ただ、中央銀行に流動性供給はできても、実際の消費はできないと指摘。日銀と政府が2013年に合意した共同声明は、各国の中央銀行と政府の間の「適切な分業」のあり方を考える上で興味深く有益な示唆があるとし、「新型コロナウイルス危機に対処し、適切な分業を確実にするには、2013年の共同声明のような取り決めを各国中央銀行と政府が合意することが必要になるかもしれない」と述べた。

また、日銀はマイナス金利深掘りの可能性を排除しないとも表明。ただ、利回り曲線の全体の形に及ぶ影響を考慮する必要があるとした。

若田部氏は、緩和長期化の副作用への懸念は「理解できる」とした上で、日銀の刺激策の便益は費用を依然上回るとの考えを示した。

*若田部氏のコメントを追加しました

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は大幅続落、一時5万円割れ 過熱感で調整深

ビジネス

日鉄、純損益を600億円の赤字に下方修正 米市場不

ビジネス

ユニクロ、10月国内既存店売上高は前年比25.1%

ワールド

中国、対米関税を一部停止へ 米国産大豆は依然割高
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中