ニュース速報

ビジネス

米大統領選テレビ討論会が焦点、不安定な値動きも=今週の米株式市場

2020年09月28日(月)07時44分

A nearly empty trading floor is seen as preparations are made for the return to trading at the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S., May 22, 2020. REUTERS/Brendan McDermid

[25日 ロイター] - 今週の米株式市場は、29日に開かれる大統領選の第1回テレビ討論会が注目される中、不安定な値動きが続く可能性がある。11月の大統領選に関する賭け業者の見立ては、共和党候補の現職トランプ氏と民主党候補バイデン前副大統領のどちらが勝ってもおかしくない接戦との予想に変化しつつある。

バイデン氏は現時点で、世論調査の支持率や賭け業者の勝率予想でやや優勢。同氏が討論会で優位に立つことができれば、世界貿易や再生可能エネルギーに関連する株式の押し上げ材料になる可能性がある。

トランプ氏が論戦に勝利したと見なされれば、化石燃料と防衛関連の株式に好影響を与えるかもしれない。テレビ討論会は計3回行われる予定。

S&P総合500種指数<.SPX>は、ここ数週間で過去最高値から10%急落。新型コロナウイルスからの景気回復の遅れが懸念されているほか、大統領選を巡り、結果発表に遅延が生じる可能性を含め不透明感があるからだ。

クレセット・ウエルス・アドバイザーズのジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)は、トランプ、バイデン両氏のどちらかが29日の討論会で優位に立てば、個別株や個別セクターの動きが焦点になると指摘。

トランプ氏が引き起こした中国との貿易摩擦に触れ「例えばアップルは、トランプ氏よりもバイデン氏が大統領になる方が、事業の複雑さがはるかに低下する」とした。

投資家の多くは、バイデン氏の方がトランプ氏よりも増税する可能性が高いと見ており、規制緩和を好むトランプ氏が再選しを果たした方が株式市場全体にとっては好材料と捉えている。同時に、トランプ氏の再選は米中の緊張激化への懸念を強める可能性がある。

大統領選の結果判明が遅れるとの予想がある中、オプション市場は、投資家が11月と12月の相場の不安定化に身構えていることを示している。

また、リアルクリアポリティクスによると、賭けサイトはバイデン氏が勝利する確率を53%としており、最も高かった8月初旬の61%から低下している。

コーナーストーン・マクロが最近の資産価格と大統領選の勝率予想の比較に基づき分析したところによると、バイデン氏の勝利は投票日翌日の取引でS&P500種を約1%押し上げる可能性がある一方、トランプ氏の再選は約4%の押し下げ効果が見込まれている。

「これを解釈すると、市場でのバイデン氏の勝利の織り込み度合いが高まってきており、トランプ氏の再選は、恐らく貿易摩擦の激化などが原因で、幾らかのリスク要因だと市場が捉えている可能性がある」とした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金総書記、巡航ミサイル発射訓練を監督=KC

ビジネス

午前の日経平均は反落、需給面での売りで 一巡後は小

ビジネス

利上げ「数カ月に1回」の声、為替の影響に言及も=日

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中