ニュース速報

ビジネス

ドル小幅高、米コロナ追加対策協議の行き詰まりで=NY市場

2020年08月12日(水)06時11分

終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。ユーロは不安定な値動きの中、序盤の上げから反転した。ワシントンで4月撮影(2020年 ロイター/TOM BRENNER)

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。ユーロは不安定な値動きの中、序盤の上げから反転した。米国の新型コロナウイルス追加経済対策を巡る協議が進展していないことが明らかになり、リスク選好の動きが後退した。

円やスイスフランなど他の安全通貨も同様に小口買いを集め、対ドルで下げ幅を縮小した。

米与野党の上院トップが11日、新型コロナウイルスの追加経済対策を巡って非難の応酬を繰り広げる中、共和党のマコネル院内総務は政府と民主党が話し合いをしていないと明らかにした。

マコネル院内総務の発言を受け、米国株は下げに転じ、米債価格は下げ幅を縮めた。

バノックバーン・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「当面は進展しないだろう。これは大きな問題だ。週600ドルの失業給付がなくなれば、所得が減り、消費が減少する」と述べた。

終盤の取引で、ドル指数<=USD>は0.1%高の93.709。一時は1週間ぶりの高値を付けた。

ユーロは1.1733ドルに下落。もっとも、取引時間中には対ドルで一時1.18ドル台に乗せる場面があった。ドイツ欧州経済センター(ZEW)が発表した8月の独ZEW景気期待指数は71.5で、前月の59.3から上昇。ロイターが集計したエコノミスト予想の58.0を大きく上回った。

米10年債利回りが4週ぶりの高水準を付けたことを受け、ドルは対円で106.68円と3週間ぶり高値に上昇。終盤は0.5%高の106.53円。

アナリストによると、新型コロナ追加対策を巡る行き詰まりに加え、米中関係の悪化が、安全通貨としてのドルを引き続き支援しているという。

中国政府は10日、米共和党議員を含む米国人11人を制裁を科すと発表した。米国が先週末、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む中国と香港の当局者11人を制裁対象にしたことを受けた動き。

一方、ムニューシン米財務長官は10日、ホワイトハウスで会見し、来年末時点で会計基準を満たさない中国などの海外企業は米市場で上場廃止になると述べた。

これらの動きに対する市場の反応は限定的だったが、アナリストからは長期的な影響があるかもしれないとの声が出ていた。

豪ドルやニュージーランドドルは対ドルで下げに転じた。

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のラムスデン副総裁が、英経済が再び減速した場合には、英中銀は量的緩和(QE)を強化するとの認識を示したことを受け、序盤に買われていたポンドも対ドルで下げに転じ、0.2%安の1.3041ドルとなった。

ドル/円 NY終値 106.48/106.50

始値 106.12

高値 106.68

安値 105.94

ユーロ/ドル NY終値 1.1739/1.1741

始値 1.1790

高値 1.1807

安値 1.1729

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

コンゴ・ルワンダ、米仲介の和平協定に調印 鉱物巡る

ビジネス

IMF、日本の財政措置を評価 財政赤字への影響は限

ワールド

プーチン氏が元スパイ暗殺作戦承認、英の調査委が結論

ワールド

プーチン氏、インドを国賓訪問 モディ氏と貿易やエネ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 9
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 10
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中