ニュース速報

ビジネス

再送 トヨタの今期純利益64%減へ、世界販売は上乗せ 4─6月期営業黒字

2020年08月07日(金)08時53分

 8月6日、トヨタ自動車は、未定としていた2021年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比64%減の7300億円となる見通しを発表した。写真はブラジルのサンパウロで2018年11月撮影(2020年 ロイター/Paulo Whitaker)

[東京 6日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は6日、未定としていた2021年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比64%減の7300億円となる見通しを発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が減少する。一方、世界販売計画は4―6月期の回復ペースが想定以上に早いことを受け上方修正した。4―6月期は前年同期比で販売は落ち込んだが、営業黒字は確保した。今期の売上高と営業利益は従来予想を維持した。

会社の今期純利益予想は、金融情報分析会社リフィニティブが集計したアナリスト22人の予測平均値1兆0910億円を下回っている。

日野自動車<7205.T>、ダイハツ工業を含むグループ全体の世界総販売計画は910万台と、従来の890万台から20万台引き上げた。期初は4─6月期の世界販売を前年同期の約60%の回復と想定していたが、実際は69%まで回復しており、今後も期初の想定よりも回復のペースは早いとみて上乗せした。

トヨタブランドと高級車ブランド「レクサス」の今期販売計画は期初から30万台上乗せした。回復のペースは、7―9月期が前年同期の約85%、10―12月期は約95%、21年1―3月期は約105%と見込んでいる。

トヨタは自動車市場について、コロナの影響で当面は弱い動きが続くと見込む一方、4─6月を底に徐々に回復し、20年末から21年前半にかけて前年並みに戻るとみている。

同日発表した20年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比98%減の139億円だった。感染拡大を防ぐため実施された世界的なロックダウン(都市封鎖)による生産・販売の一時休止が響いた。売上高は40%減の4兆6007億円、純利益は74%減の1588億円だった。世界販売実績(連結ベース)は115万8000台と前年同期からほぼ半減した。

販売が落ちても営業黒字を維持できたことについて、トヨタ広報担当者は、赤字に陥ったリーマンショック時の教訓から学び、販売店や取引先などとともに11年間にわたって取り組んできた「地道な体質強化の成果が現れたのではないか」と分析した。豊田章男社長は6月の株主総会で、体質強化の結果として「リーマンショック時に比べ200万台以上、損益分岐点となる台数を下げることができた」と話していた。

今期の売上高予想は前期に比べ約20%減の24兆円、営業利益予想は約79%減の5000億円。コロナの感染拡大や収束の状況などで経営環境が大きく変わる可能性があるとして従来予想を維持した。年間配当予想は引き続き未定とした。

想定為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=115円で据え置いた。

*見出しの文字化けを修正して再送します。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米地裁、テキサス州の選挙区割りを一時差し止め 共和

ワールド

米フリーポート、来年7月までにグラスバーグ鉱山再開

ワールド

WHO、来年6月までに職員2000人以上削減へ 米

ビジネス

メタがアプリ買収巡る反トラスト法訴訟で勝訴、地裁は
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中