ニュース速報

ビジネス

JDI、中国生産の一部を国内回帰 コロナ禍で供給網見直し

2020年07月10日(金)18時17分

7月10日、ジャパンディスプレイ(JDI)が、鳥取工場(鳥取県鳥取市)で車載向けディスプレイの増産を検討していることがわかった。都内で2016年8月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 10日 ロイター] - ジャパンディスプレイ(JDI)<6740.T>が、鳥取工場(鳥取県鳥取市)で車載向けディスプレイの増産を検討していることがわかった。永岡一孝チーフ・マニュファクチュアリング・オフィサー(CMO)がロイターの取材で述べた。新型コロナウイルスの影響で中国工場からの供給が寸断された経緯を踏まえ、国内の自動車メーカーへのサプライチェーン(供給網)体制を再構築し、一部国内回帰を進める。

JDIは長らく経営難に陥ってきた。前年度は下半期で最終黒字を確保したほか、資金調達を通じ債務超過を解消した。構造改革の効果による早期の黒字定着を見据えており、体制強化を進める。JDIは、車載ディスプレイの世界シェア1位。

国内自動車メーカー向けに中国・蘇州の工場で生産して輸入している車載ディスプレイの後工程の一部を、鳥取工場での生産に振り向ける検討を進めている。永岡氏は、国内顧客向けの製品は、国内の技術者と連携しやすい国内に工場がある方が有利とみている。顧客からの技術的要求が高度化しており、体制を整える。

増産開始の時期や規模は今後詰める。鳥取工場の敷地内での設備拡充を想定し、増産に伴うコストは膨らまない見通し。100人前後の雇用創出を見込む。経済産業省による補助金の活用も検討する。

サプライチェーンの見直しでは、消費地に近いところで生産する「地産地消」の観点を重視する。航空輸送運賃や、渡航制限などによる国境をまたぐ移動のしにくさなどを考慮する。中国市場は引き続き重要との認識だが、永岡氏は「サプライチェーンに伴うリスクをぎりぎりに抑えながら、顧客の要求に応えていく」と述べた。スマホ向けは、顧客企業の多くの拠点が中国にあるため、今回は見直さない。

新型コロナの感染拡大で中国の工場の操業停止や内部輸送の停止などが1カ月程度続いた。JDIは国内向け車載ディスプレイの供給について、保有在庫でしのぐよう努めたが、最終的に1―2週間程度分の供給に「機会ロス」が生じた。

JDIの1―3月期売上高は前年同期比32.2%減の1162億円、営業利益は59億円の赤字(前年同期は198億円の赤字)だった。コロナ禍で売上高212億円、営業利益71億円の影響を受けた。

*内容を追加しました。

(平田紀之、山崎牧子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国産大豆追加購入の可能性低下も 関税違憲判

ビジネス

トランプ関税違憲判決、米エネ企業のコスト軽減 取引

ワールド

米USTR、新たな301条調査開始へ 主要国の大半

ワールド

トランプ氏、10%の代替関税に署名 最高裁の違憲判
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 4
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 5
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 6
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 9
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 10
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中