ニュース速報

ビジネス

米ISM非製造業指数、5月は改善も縮小続く

2020年06月04日(木)02時08分

米供給管理協会(ISM)が3日発表した5月の非製造業総合指数(NMI)は45.4と、4月に付けた2009年3月以来、約11年ぶりの低水準からは改善したものの、景気拡大・縮小の節目となる50は依然下回った。フロリダ州マイアミで4月撮影(2019年 ロイター/MARCO BELLO)

[ワシントン 3日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が3日発表した5月の非製造業総合指数(NMI)は45.4と、4月に付けた2009年3月以来、約11年ぶりの低水準からは改善したものの、景気拡大・縮小の節目となる50は依然下回った。企業が事業を再開する中でも再雇用のペースは遅く、新型コロナウイルスの危機からの持ち直しに何年もかかるとの見方を後押しした。市場予想は44.0だった。

4月は41.8と、2009年12月以来初めて50を割り込んだ。

サービス部門は米経済の3分の2以上を占める。

1日に発表された5月の製造業景気指数は、11年ぶりの低水準を付けた4月から改善した。最近の景況感指標は、新型ウイルスによる景気の落ち込みが底を打ったことを示唆する。

第1・四半期米国内総生産(GDP)は年率で前期比5%減と、07─09年の景気後退(リセッション)期以来の大幅なマイナスとなった。第2・四半期の市場予想は最大40%減と、1930年代の世界大恐慌以来の落ち込みとなる見込みだ。

5月の内訳は新規受注指数が41.9と、統計を開始した1997年以来の低水準を付けた4月の32.9から改善。雇用指数は31.8と、1997年以来の低水準だった4月の30.0から小幅な改善にとどまった。労働市場が低迷していることを示唆する。

労働市場の低迷は5日発表の5月の雇用統計で鮮明に表れる見込みだ。5月の雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数が前月から800万人減。4月は2053万7000人減少していた。失業率は第二次世界大戦後では最も高い19.7%を付ける見通し。4月は14.7%だった。

オックスフォード・エコノミクスの主任米国エコノミスト、オレン・クラチキン氏は「今後は大幅な下振れリスクをはらんでいる。深刻な需要崩壊や供給網の混乱、金融情勢の逼迫化、新型コロナ感染第2波への懸念などが力強い回復の可能性を最小限に抑えている」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ自動車対米輸出、4・5両月とも減少 トランプ

ワールド

米農場の移民労働者、トランプ氏が滞在容認 雇用主が

ワールド

ロシア海軍副司令官が死亡、クルスク州でウクライナの

ワールド

インドネシア中銀、追加利下げ実施へ 景気支援=総裁
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 7
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 8
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 5
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 6
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中