ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、5月は31.9に改善 回復にはなお時間

2020年06月03日(水)18時39分

[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが発表した5月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は31.9と、4月の13.6から改善したものの、好不況の分かれ目となる50を大幅に下回った。速報値は30.5だった。

4月は1998年半ばの統計開始以降で最低を記録していた。最悪期を脱した兆しは出ているものの、プラス成長の回復にはまだ時間がかかりそうだ。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「今回のPMI統計では、ユーロ圏の不況の規模と範囲が浮き彫りとなった。すべての国で再び事業活動が大幅に縮小した」と指摘。

「このため、第2・四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)は前例のないマイナス成長となり、失業者もユーロ圏史上で最大の増加を記録するだろう」と述べた。

先月のロイター調査では第2・四半期のGDPは11.3%減と予想されている。

雇用指数は37.8と記録的な低水準。4月は統計開始以降で最低の33.4だった。

同氏は「需要の見通しが依然として弱く、先行きに影を落としている。家計支出は高失業率で打撃を受けており、企業支出もバランスシートの修復で低迷している」と指摘。「このため、景気の回復については慎重な見方を維持している」と述べた。

5月のユーロ圏サービス部門PMI改定値は30.5と、4月の12.0から改善したが、50を大幅に下回った。速報値は28.7だった。4月は統計開始以降で最低を記録していた。

サービス業では需要が再び減少。受注残高が急ピッチで減っている。ただ、今後12カ月の見通しについては悲観的な見方が大幅に後退し、企業見通し指数は34.3から47.6に急上昇した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国向け銅輸出加速へ 関税前に駆け込み=ゴールドマ

ビジネス

アングル:トランプ政権「投資誘致」の実態、バイデン

ワールド

リトアニアとフィンランド、対人地雷生産へ ウクライ

ビジネス

テマセク、運用資産が過去最高 米国リスクは峠越えた
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワールドの大統領人形が遂に「作り直し」に、比較写真にSNS爆笑
  • 4
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 8
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中