ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸、警戒感強く徐々に伸び悩む

2020年06月02日(火)12時26分

 6月2日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比185円66銭高の2万2248円05銭となり、続伸。写真は2015年10月、都内の株価ボード前で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 2日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比185円66銭高の2万2248円05銭となり、続伸。前日の米国株式市場が不安材料を抱えながらも上昇したことが好感され、朝方から買い優勢となった。ただ、直近の1週間あまりで1700円を超す上げとなるなど、急ピッチな上昇に対し警戒感が強く、徐々に伸び悩む動きとなっている。

1日の米国株式市場は、米国内で広がる抗議デモや新型コロナウイルス流行、米中の緊張の高まりを巡る懸念がくすぶるものの、米景気回復の兆候が材料視され上昇。フェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コムが1─3%高となり、S&P総合500種<.SPX>とナスダック総合<.IXIC>の上昇を主導し、ダウ工業株30種<.DJI>ではボーイングが上昇率トップだった。

トランプ大統領は1日、全米で激化している黒人男性暴行死を巡る抗議デモにする各州知事の対応を批判し、より強硬な姿勢で臨むべきとの考えを示したことが、不安視されたものの、強い地合いが打ち消す格好となっている。

日本株も上値追いを鮮明にした。経済活動再開に対する期待が引き続き手掛かりになっているが、「移動平均線で終値が25日線(2万0376円74銭=1日現在)を8.2%上回っており、いつ調整が入っても不思議ではない」(国内証券)と過熱感を警戒する声が聞かれる。そうした中で、海外勢の買い戻しを中心に終始堅調な地合いをキープした。 TOPIXは0.95%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1171億5300万円だった。東証33業種では、鉱業、不動産業、証券業などの上昇が目立つ一方、値下がりは医薬品など4業種にとどまった。

個別では、ソニー<6758.T>など輸出関連株が総じてしっかりとなったほか、三井不動産<8801.T>、JR東日本<9020.T>など内需関連株が物色され、日本製鉄<5401.T>、オークマ<6103.T>など景気敏感株に高い銘柄が目立つ。半面、任天堂<7974.T>はさえない。 東証1部の騰落数は、値上がりが1570銘柄に対し、値下がりが508銘柄、変わらずが90銘柄だった。

日経平均は強もちあい。きょうの高値圏で推移しているが、過熱感から上値追いに慎重な動きとなっている。

市場では「移動平均線で終値が25日線(2万0376円74銭=1日現在)を8.2%上回っており、いつ調整が入っても不思議ではない。ただ、好需給が続いているため堅調な地合いを維持している」(国内証券)との声が聞かれた。

日経平均は前営業日比200円ほど高い2万2200円台半ばを推移している。東証1部の騰落レシオ(25日平均)は148.87%となっており、株式相場の過熱感は強まっている。

市場からは「海外勢を中心に買い戻しの動きが活発化している。過熱感は依然として高いが、ヘッジファンドなど買い戻しをしないといけない市場参加者が動いているようだ」(国内証券)との声が出ていた。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比113円13銭高の2万2175円52銭となり、続伸した。その後も2万2100円後半での推移となっている。オーバーナイトの米国株市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。東証33業種では鉱業、銀行業、輸送用機器、機械などの28業種が値上がり。電気・ガス業、海運業などの5業種は値下がりとなっている。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、ホンダ<7267.T>、キヤノン<7751.T>は買い優勢、トヨタ自動車<7203.T>、ソニー<6758.T>、パナソニック<6752.T>は売り買い拮抗。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>は買い優勢、ファナック<6954.T>は売り買い拮抗。

メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が売り買い拮抗、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>が買い優勢となっている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米感謝祭休暇の航空需要が縮小、政府閉鎖が影響

ワールド

NZ中銀が0.25%利下げ、景気認識改善 緩和終了

ワールド

アングル:ケネディ暗殺文書「押収」の舞台裏、国家情

ワールド

ウクライナ和平で前進、合意に期限はないとトランプ氏
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中