ニュース速報

ビジネス

骨太方針でデフレリスク払拭へ財政・金融連携を=諮問会議

2020年05月29日(金)18時50分

 5月29日夕、政府は経済財政諮問会議を開催し、今年の骨太方針に向けた民間議員の提案が示された。写真は2016年2月、都内で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 29日 ロイター] - 政府は29日夕、経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)を開催し、今年の骨太方針に向けた民間議員の提案が示された。臨機応変に適時迅速なマクロ経済運営を実行すべきとし、金融システムへの波及可能性も考慮し幅広いセーフティネットの構築や、新たなデフレリスクを払拭(ふっしょく)するための財政・金融政策の連携が盛り込まれた。給付金などの施策の迅速な実行向けて、実現できていないマイナンバーと口座の紐づけも求めている。

民間議員提案として今年の骨太方針で盛り込むべき課題のうち、主なものは以下の通り

●経済社会の変革とそれを支える経済財政運営

産業面からみると、その影響が、まずは中小企業へ、次にグローバル企業へ、その先には金融システムへと波及する可能性も考慮し、各フェーズに備えた万全の枠組みを作る必要。また、幅広いセーフティネットを構築し、家計をしっかり支えることが重要。

1)今次拡充される資本性資金を供給するに当たっては、短期的な財務基盤のみならず中長期的な収益力も念頭においた対応をすべき。

2)感染症の予期せぬ拡大や災害等に、迅速・適切に対処できるよう、第2次補正 予算で十分に確保した予備費をしっかり活用すべき。

3)新型感染症の影響と動向が見通せない中、経済・国民生活への影響を見極めつつ、簡素な概算要求基準の下、年末に向け予算編成の準備を進め、令和3年度予算編成の基本方針で方向性を示し、予算案に反映すべき。

4)新たなデフレリスクを払拭するための財政・金融政策の連携、企業の資金繰り支援策等と合わせて、必要な資金を金融機関に供給するなど、 ポリシーミックスが進められており、日銀には引き続き適切な金融政策運営を期待。

●オンライン化による行政手続きの簡素化迅速化

経済対策における反省も踏まえて、マイナンバーシステムを徹底活用、長年の懸案であったマイナンバーと口座番号を紐づけし、使い勝手を向上すべきと明示的に提案されている。

●新たな働き方とワーク・ライフ・バランスの改善

ジョブ型正社員の促進など年功序列にとらわれない業務環境の整備やマッチングを充実。労働移動の促進や教育訓練等に資する個人向けの給付を充実すべき。

●世界に開かれた活力ある日本経済の実現

海外の貿易相手や生産拠点の正常化は必須。グローバル・サプライチェーンの多元化・強靭化につながる経済連携の拡大を進めるべき。価値観を共有する国々との経済安全保障のルール作りを進めるべき。

(中川泉 )

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ436ドル安、CPIや銀行決算受

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中