ニュース速報

ビジネス

自動車8社の4月世界生産は60.5%減 工場停止で生産できず

2020年05月28日(木)19時38分

 5月28日、トヨタ自動車など自動車メーカー8社が発表した2020年4月の世界生産台数は、前年同月比60.5%減の91万6255台だった。写真はジュネーブで昨年3月撮影(2020年 ロイター/Pierre Albouy)

[東京 28日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>など自動車メーカー8社が28日発表した2020年4月の世界生産台数は、前年同月比60.5%減の91万6255台だった。

このうち国内は46.7%減の41万2587台。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自宅待機などの緊急対策が実施された地域にある生産拠点が全面停止に追い込まれたほか、需要減退に対応するための生産調整などで、生産台数は大きく減少した。一方、中国での生産台数は、前年同月と変わらない水準にまで回復したメーカーもある。

トヨタの世界生産は前年同月比50.8%減の37万9093台だった。全ての工場が停止していた北米では1台も生産されなかった。同地域の工場は、5月11日から段階的に稼働再開している。国内生産は25.9%減の21万8054台。5工場7ラインで、4月3日から1週間ほど生産調整を実施していた。3月30日までに全工場の稼働を順次再開した中国では、27.8%増の14万3135台となった。

ホンダ<7267.T>の世界生産は52%減の21万2747台だった。直近20年における月ベースの減少幅としては、東日本大震災が発生した2011年4月(52.9%減)に次ぐ2番目。工場が停止していた北米と欧州では生産できなかった。中国では、21.1%増の15万2447台となり、4月としては過去最高の生産台数を記録。5月の需要増加を見込み、生産量を増やした。

日産自動車<7201.T>は、62.4%減の15万0388台だった。工場が停止していた米国、英国、スペインでは1台も生産されなかった。国内も、自動車市場の需要減退に対応するための生産調整で、61.8%減の2万1669台となった。中国では、全生産台数の80%以上を占める12万2580台が生産された。

マツダ<7261.T>の世界生産は69.9%減の3万5877台で、全ての月で見てもデータ公表を開始した2005年以降最低の数字となった。国内における生産台数も、1979年の公表開始以降最も少ない1万1706台にとどまった。国内やタイ、メキシコでの工場停止が生産台数を大きく引き下げた。

三菱自動車<7211.T>の世界生産は、66.2%減の3万4467台。世界各地域で生産が減少し、前年同月を大幅に下回った。SUBARU<7270.T>、スズキ<7269.T>、ダイハツ工業も、それぞれ50%以上落ち込んだ。

4月は、中国を除く世界中の工場が稼働を停止していた。5月に入り再開の動きは見られたものの、生産調整を継続している工場は少なくない。5月の生産台数も減少することが想定される。

*内容を追加して再送します。

(新田裕貴)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB当局者、6月利下げを明確に支持 その後の見解

ビジネス

米住宅ローン金利7%超え、昨年6月以来最大の上昇=

ビジネス

米ブラックストーン、1─3月期は1%増益 利益が予

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中