ニュース速報

ビジネス

韓国中銀、政策金利を予想通り据え置き 5月追加利下げも

2020年04月09日(木)14時27分

 4月9日、韓国銀行(中央銀行)は、政策金利を過去最低の0.75%に据え置いた。写真は韓国銀。ソウルで2016年3月撮影(2020年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 9日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は9日、政策金利を過去最低の0.75%に据え置いた。金利据え置きは市場の予想通りだった。

だが、中銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は追加利下げの必要性に言及し、5月の追加利下げを示唆した。

中銀は金利据え置きにより、新型コロナウイルス感染拡大による影響軽減に向け最近実施した緊急利下げや債券買い入れプログラム拡大の効果を見極める。据え置き決定は全会一致ではなかった。

ロイター調査ではアナリスト20人中15人がこの日の据え置きを予想。中銀は約3週間前に開いた緊急会合で、50ベーシスポイント(bp)の利下げを決定していた。[nL4N2B939Z]

李総裁は会見で、追加利下げが必要になる可能性があると発言。

新型コロナの世界の感染ペースが第2・四半期に大きく鈍化するとの想定では、韓国の今年の経済成長率は従来予想の2.1%を下回る1%以下になるとの見通しを示した。

総裁は「ある程度の政策余地はあり、その分の政策対応は可能だ」と説明。米連邦準備理事会(FRB)のように、要件を満たした企業向けに政府保証をつけて融資するための特別目的事業体(SPV)の創設は市場を安定化させる可能性があると述べた。

また、中銀による国債の買い入れを増やすと明らかにした。

総裁が追加緩和と国債買い入れ拡大に言及したことで、3年債先物は大幅に上昇。

大信証券のエコノミスト、Kong Dong-rak氏は「投資家は、韓国中銀にまだ政策余地があるとの総裁の発言をハト派的と受け止め、追加緩和のシグナルと捉えた」と指摘した。

中銀の理事会メンバー7人のうち4人は、4月20日に任期切れとなり、今回の会合をもって退任する。

*内容を追加しまし、カテゴリーを変えました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エアバス、受注数で6年ぶりボーイング下回る可能性=

ワールド

EU、27年までのロシア産ガス輸入全面停止へ前進 

ワールド

アングル:中東ファンドがワーナー買収に異例の相乗り

ワールド

タイ・カンボジア紛争、トランプ氏が停戦復活へ電話す
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中