ニュース速報

ビジネス

EU首脳、21─27年予算で合意できず 次回会議の日程調整へ

2020年02月22日(土)06時19分

 21日、欧州連合(EU)は2021─27年のEU予算を巡り合意が得られないまま前日から2日間の日程で開いていた首脳会議を終了した。写真はブリュッセルで2019年4月撮影(2020年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)は21日、2021─27年のEU予算を巡り合意が得られないまま前日から2日間の日程で開いていた首脳会議を終了した。

首脳会議の議長を務めたミシェルEU大統領は終了後の記者会見で「残念ながら合意に至ることはできなかった。より多くの時間が必要になる」と述べた。

EU加盟27カ国の7年間の予算をまとめるのは通常でも困難だが、今回は英国の離脱で予算規模が750億ユーロ(810億ドル)減少すると見込まれる中、気候変動や移民などの問題への対応も迫られており、交渉は難航している。

首脳会議に先立ちミシェルEU大統領は、21─27年の予算を域内国民総所得(GNI)の1.074%に当たる約1兆0900億ユーロとすることを14日に提案。これが首脳会議での討議のたたき台となった。

ただデンマーク、オーストリア、スウェーデン、オランダの4カ国は同比率が1%を超えないよう主張。一方、EU予算で恩恵を受けている国は1.074%以上に引き上げるよう要請。会議は当初から紛糾した。

ミシェル大統領は同比率を1.069%にとどめる新たな案を提案したが、これに基づくと7年間の予算は約100億ユーロ縮小するため、どちら側の支持も得られなかった。

ドイツのメルケル首相は記者団に対し「合意に達するには見解の相違が大き過ぎたと認識せざるを得ない。このため協議は決裂した。今後も取り組み続ける必要がある」と述べた。

フランスのマクロン大統領は、メルケル首相と緊密に連携してきたが一部加盟国がブロックを形成したことでこうした取り組みが阻害されたと指摘。「ブロックを形成して何かを阻害しようとするのは好ましい手法ではない」と述べた。

今回の首脳会議で合意が得られなかったことを受け、ミシェル大統領は加盟各国と協議して次回会議の日程を詰める。年末までに合意が得られなければ、21年以降のEUのプロジェクトの大部分が凍結される。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中