ニュース速報

ビジネス

米新築住宅販売、19年12月は予想外のマイナス 3カ月連続減

2020年01月28日(火)03時42分

米商務省が27日に発表した2019年12月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済)は、年率換算で前月比0.4%減の69万4000戸と3カ月連続で落ち込んだ。ロサンゼルスで2018年7月撮影(2020年 ロイター/Lucy Nicholson)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日に発表した2019年12月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済)は、年率換算で前月比0.4%減の69万4000戸と3カ月連続で落ち込んだ。市場予想は1.5%増の73万戸だった。手頃な住宅が不足していることが影響したとみられる。ただ、住宅ローン金利が低い環境が引き続き住宅市場を下支えしている。

11月の販売戸数は当初発表の71万9000戸から69万7000戸へ下方改定された。

12月の売り上げは20万─74万9000ドルの価格帯に集中した。最も需要が大きい20万ドル以下の住宅の売り上げは全体の10%にとどまった。

ジローのエコノミスト、マシュー・スピークマン氏は「低水準の住宅ローン金利、堅調な労働市場、地政学上の緊張緩和は住宅需要の継続を示唆している」と述べた。

新築住宅は住宅市場全体の約11.1%を占める。新築住宅販売は建設許可件数を基に算出されており、月次の数値は乱高下する傾向があ る。

12月の前年同月比は23.0%急増した。

19年全体では前年比10.3%増の68万1000戸と、07年以来の高水準だった。

米連邦準備理事会(FRB)は19年に3回利下げした。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定住宅ローン金利は平均3.60%と、18年11月の4.94%から低下した。住宅ローン金利が低い環境は住宅市場を下支えしている。

先に発表された19年12月の中古住宅販売は1年10カ月ぶりの高水準を付けた。12月の住宅着工件数は13年ぶりの高水準だった。住宅着工許可件数は減ったものの、前月まで7カ月連続で伸びていた。

米経済の約3.1%を占める住宅市場は18年に弱含んだ後に改善したものの、依然として用地と労働力不足を背景に、低価格帯を中心とした供給が不足しており、抑制要因となっている。結果として住宅価格は高止まりしている。

JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「住宅投資が昨年第4・四半期に妥当な増加を示したと引き続き想定している」と述べた。

新築住宅の中間価格は前年同月比0.5%上昇の33万1400ドルだった。

地域別では、販売の大半を占める南部が15.4%減の34万7000戸と、18年10月以来の低水準。北東部は11.8%減だった。一方、中西部は10.1%、西部は31.0%それぞれ増加した。

住宅在庫は前月比1.6%増の32万7000戸だった。販売ペースに基づく在庫の消化期間は5.7カ月。11月は5.5カ月だった。

ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「世帯形成トレンドは住宅の新規建設ペースを上回っており、今年の住宅市場を支えるだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中