ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(27日)

2019年12月28日(土)07時52分

[27日 ロイター] - <為替> 年末を迎え薄商いの中、ドルが下落。米中が通商合意書の署名に近づいているという期待からリスク選好が上向き、安全資産と見られるドルに売りが出た。

米中交渉を巡っては、トランプ米大統領が24日、中国の習近平国家主席と第1段階の米中通商合意書に署名する調印式を行うと表明。中国外務省も25日、通商合意の署名式を巡り米国と密接に連絡を取っていると明らかにした。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.6%安の96.951。指数の伸びは年初来で1%未満と、6年来の低水準にとどまっている。

アクション・エコノミクスのアナリストは「リスクオン心理が働く中、ドル安の流れになった。投資家は米中による第一段階の通商協定書の署名が近いと見ている。金融政策は拡張的であり、インフレ率は落ち着いている」と述べた。

ユーロ/ドルは0.76%高。約5カ月ぶりの大幅な値上がり。オフショア人民元 は6.9917元とほぼ横ばい。ドル/円 は0.2%安の109.40円。

ポンド/ドル は0.78%高。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、英国との新たな通商関係を巡る交渉について、交渉期限の延長が必要になる可能性があるという認識を示した。

<債券> 国債利回りが低下。年末を迎え薄商いの中、これまでの売りが一服したほか、ポートフォリオ調整の買いが入った。

米中通商協議を巡っては、トランプ米大統領が24日、中国の習近平国家主席と第1段階の米中通商合意に署名する調印式を行うと表明。中国外務省も25日、通商合意の署名式を巡り米国と密接に連絡を取っていると明らかにした。

10年債利回りは1.88%。今月初旬には1.69%を付けていた。

ナットウエスト・マーケッツのアナリストは「今月の売りでモメンタム指標の多くが売られ過ぎの状態になった。国債相場は足元、強気に転じている」と述べた。

2年債と10年債の利回り格差は28ベーシスポイント(bp)に縮小。19日時点では31bpと2018年10月以来の水準に拡大していた。

<株式> ナスダック総合指数<.IXIC>が12営業日ぶりに反落した。一方、ダウ工業株30種<.DJI>とS&P総合500種<.SPX>は小幅高となり、終値ベースの最高値を更新。年末高の勢いが継続した。

今年も残すところわずか2営業日。S&P500は現時点で年初来29%超上昇し、年間の上昇率としては2013年以来の大きさとなる見込み。年末にかけ閑散商いが続くとみられている。

チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「年末にかけ、もみ合い相場となる傾向が多い。特に今年は大幅に上昇しており、年明けに年金などからの新規資金が流入するまで株価の一段高は想定しづらい」と述べた。

DAデビッドソンのウェルス・マネジメント調査部門ディレクター、ジェームス・ラーガン氏は「第1段階の米中通商合意が1月初旬から中旬にかけて署名されることが期待されている」と指摘。「通商面での期待が来年の設備投資を促すと見込まれる中で、低金利と力強い消費が続いており、持続的な株価上昇のレシピは整っている」と語った。

セクター別では生活必需品<.SPLRCS>や不動産<.SPLRCR>、公益<.SPLRCU>が値上がり上位。一方、エネルギー<.SPNY>や素材<.SPLRCM>は下落した。

米取引所の合算出来高は約52億株。直近20営業日の平均は68億株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.02対1の比率で上回った。ナスダックでも1.52対1で値下がり銘柄数が多かった。

<金先物> 4営業日続伸。2月物の清算値は前日比3.70ドル(0.24%)高の1オンス=1518.10ドルと、中心限月ベースで9月下旬以来約3カ月ぶりの高値となった。クリスマスから年末年始にかけて休暇を取る市場参加者が多く、この日も薄商い。こうした中、対ユーロでのドル安により、ドル建てで取引される金塊などに割安感が生じ、金が買われた。テクニカル要因からの追随買いも入ったもようだ。米株式市場が連日で史上最高値を更新する中、相場急落に備えたリスクヘッジ目的の金買いを指摘する向きもあった。

<米原油先物> 米原油在庫の大幅減を示す週報の発表を受けて切り返し、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値は、前日比0.04ドル(0.06%)高の1バレル=61.72ドル。週間では2.12%上昇。3月物の清算値は0.05ドル高の61.53ドルとなった。

ロシアのノバク・エネルギー相はこの日、石油輸出国機構(OPEC)主導で2017年に始まった協調減産の終了を、来年検討する可能性があると述べた。OPEC加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は今月上旬、来年3月末までの減産延長と規模拡大を決めているが、同相は足元の国際石油市場がおおむね安定しているほか、夏には原油需要が高まる可能性があるとの見解を表明。これを受け、朝方はいったん売りが優勢となっていた。

しかし、米エネルギー情報局(EIA)が午前に週報を発表すると、流れは反転。EIAによると、20日までの1週間に米原油在庫は550万バレル減少し、市場予想の170万バレル減を大きく上回る取り崩しを示した。また、午後に発表された米石油サービス会社ベーカー・ヒューズの統計でも、同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数が677基と前週から8基減少し、米国内の供給過剰に対する懸念を和らげた。

ドル/円 NY終値 109.41/109.44

始値 109.48

高値 109.58

安値 109.4

ユーロ/ドル NY終値 1.1175/1.1178

始値 1.1147

高値 1.1187

安値 1.1146

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 101*07.50 2.3175%

前営業日終値 100*26.00 2.3370%

10年債(指標銘柄) 17時00分 98*27.50 1.8770%

前営業日終値 98*19.50 1.9050%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*11.00 1.6780%

前営業日終値 100*03.75 1.7250%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*02.38 1.5872%

前営業日終値 99*31.25 1.6370%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 28645.26 +23.87 +0.08 <.DJI>

前営業日終値 28621.39

ナスダック総合 9006.62 -15.77 -0.17 <.IXIC>

前営業日終値 9022.39

S&P総合500種 3240.02 +0.11 +0.00 <.SPX>

前営業日終値 3239.91

COMEX金 2月限 1518.1 +3.7 <0#GC:>

前営業日終値 1514.4

COMEX銀 3月限 1794.3 ‐4.7 <0#SI:>

前営業日終値 1799.0

北海ブレント 2月限 68.16 +0.24 <0#LCO:>

前営業日終値 67.92

米WTI先物 2月限 61.72 +0.04 <0#CL:>

前営業日終値 61.68

CRB商品指数 187.1793 +0.4956 <.TRCCRB>

前営業日終値 186.6837

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中