ニュース速報

ビジネス

相応の長い期間、緩和方向を意識した政策運営=10月日銀会合議事要旨

2019年12月24日(火)10時29分

 日銀が10月30─31日に開催した金融政策決定会合で、多くの委員が、「相応の長い期間」にわたって緩和方向を意識した政策運営が必要であることが確認されたと指摘していたことが24日、日銀が公表した議事要旨で明らかになった。写真は日銀本店。1月23日撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

[東京 24日 ロイター] - 日銀が10月30─31日に開催した金融政策決定会合で、多くの委員が、「相応の長い期間」にわたって緩和方向を意識した政策運営が必要であることが確認されたと指摘していたことが24日、日銀が公表した議事要旨で明らかになった。

日銀はこの会合で、政策金利について「物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れに注意が必要な間、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」とする新たなフォワードガイダンスを導入した。

これらの委員は「海外経済の持ち直し時期が後ずれすることを踏まえると、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れについて、注意が必要な状況がしばらく続く」と警戒感を示し、「先行き相応の長い期間にわたって緩和方向を意識した政策運営をしていく必要があることが確認されたことを踏まえると、今回の会合で、現在のフォワードガイダンスの見直しを検討することが適当だ」と主張した。

見直しの方向性に関して、何人かの委員は「フォワードガイダンスを物価安定の目標に向けたモメンタムと関連付けるとともに、政策金利の下方バイアスを示すことで、7月の会合以降、緩和方向をより意識して政策運営を行っている日銀のスタンスを明確にすることができる」との見方を示した。

ただ、現状の金融政策については、大方の委員が「物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが一段と高まる状況ではないことから、現状の金融市場調節方針と資産買入れ方針を維持することが適当」との認識を共有。多くの委員は「プラスの需給ギャップができるだけ長く持続するように、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、現在の政策の下で、極めて緩和的な金融環境を維持していくことが必要だ」と述べた。

これに対して1人の委員は「経済・物価の下振れリスクが大きい現状を踏まえると、追加緩和の要否を引き続き検討すべき」と指摘。「海外経済の影響を受けやすく、予想物価上昇率が物価安定の目標にアンカーされておらず、現実の物価上昇率と目標の距離が大きい日本こそ、予防的金融緩和論が一番妥当するのではないか」と主張した。

先行きの政策運営については、何人かの委員が「物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、躊躇なく、追加の緩和策を講じる必要がある」と改めて指摘。複数の委員は「リスクシナリオの一環として、次なる景気後退に備えるべきであり、その際には、金融政策面での対応のほかにも、財政政策やその他の政策など、政府の経済政策との連携強化が一層重要になる」という見方を示した。

一方、複数の委員は副作用についても言及し、「金融機関の財務状況は現時点では健全だが、低金利環境が長期化することによる累積的な副作用に留意する必要がある」と警戒感を示した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、22日に最高人民会議招集 憲法改正審議=K

ワールド

中東からの原油輸出、ホルムズ海峡封鎖で最低でも日量

ワールド

バンス米副大統領、トランプ氏のイラン対応「支持」 

ワールド

イスラエルのレバノン「大規模地上攻撃」回避を、英仏
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中