ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=3日続落、米中通商合意への期待が後退

2019年12月04日(水)07時44分

米国株式市場は3営業日続落して取引を終えた。トランプ米大統領やロス米商務長官の発言を受け、米中貿易摩擦の早期緩和に向けた期待が後退した。ニューヨーク証券取引所で撮影(2019年 ロイター/LUCAS JACKSON)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米国株式市場は3営業日続落して取引を終えた。トランプ米大統領やロス米商務長官の発言を受け、米中貿易摩擦の早期緩和に向けた期待が後退した。

主要株価3指数はいずれも先週付けた最高値から一段と押し戻された。ダウ工業株30種<.DJI>は10月8日以来最悪のパフォーマンスとなった。

先週は米中の「第1段階」の通商合意が近いとの期待が株価を押し上げてきたが、この日はトランプ大統領が、中国との通商交渉合意に期限はないとし、来年11月の大統領選挙後まで待った方が良いかもしれないと発言。ロス商務長官も、12月15日に発動予定の中国製品への追加関税について、協議の大きな進展など、発動を見送る理由がない限り、実施は予定通りと述べた。

また、フランスのルメール経済・財務相は3日、米国がフランス製品に対する追加関税を検討していることについて「受け入れられない」と発言、仏をはじめ欧州連合(EU)は報復する用意があると述べた。[nL4N28D31S]

ウェドブッシュ・セキュリティーズのシニアバイスプレジデント、スティーブン・マソッカ氏は、中国との貿易交渉の停滞や、フランス製品への追加関税、ブラジルとアルゼンチンの鉄鋼製品への関税が一体となって市場の失望を誘ったと指摘。「長期的にはポジティブな影響もあり得るが、短期的には景気減速につながるとみられ、市場にはマイナス材料となった」と語った。

貿易動向に敏感な半導体株が売られ、フィラデルフィア半導体指数<.SOX>は1.5%下落した。

S&P総合500種<.SPX>の主要11セクターでは9セクターが下落。アップルとインテルの下げが重しとなった。

エネルギー株<.SPNY>や金融株<.SPSY>のほか、貿易動向に敏感な工業株<.SPLRCI>などの下落率が大きかった。

鉄鋼メーカーのAKスチールは4.2%急伸。資源大手クリーブランド・クリフスが、約11億ドルで同社を買収することで合意した。買収はすべて株式交換で行う。

遺伝子治療薬の研究開発を手がけるバイオテクノロジー企業のAudentes社(オーデンテス)は106%の大幅高。アステラス製薬<4503.T>が現金約30億ドルで同社を買収すると発表した。[nL4N28D0BP]

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.63対1の比率で上回った。ナスダックでも1.65対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は74億1000万株。直近20営業日の平均は68億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 27502.81 -280.23 -1.01 27501.98 27524.74 27325.13 <.DJI>

前営業日終値 27783.04

ナスダック総合 8520.64 -47.34 -0.55 8460.72 8523.98 8435.40 <.IXIC>

前営業日終値 8567.99

S&P総合500種 3093.20 -20.67 -0.66 3087.41 3094.97 3070.33 <.SPX>

前営業日終値 3113.87

ダウ輸送株20種 10499.29 -235.56 -2.19 <.DJT>

ダウ公共株15種 850.67 +4.79 +0.57 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1665.71 -26.04 -1.54 <.SOX>

VIX指数 15.93 +1.02 +6.84 <.VIX>

S&P一般消費財 943.85 -9.63 -1.01 <.SPLRCD>

S&P素材 369.22 -2.48 -0.67 <.SPLRCM>

S&P工業 670.19 -7.45 -1.10 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 634.57 -1.16 -0.18 <.SPLRCS>

S&P金融 489.21 -6.53 -1.32 <.SPSY>

S&P不動産 236.00 +1.74 +0.74 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 424.81 -6.68 -1.55 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1141.25 -2.38 -0.21 <.SPXHC>

S&P通信サービス 176.54 -0.15 -0.08 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1508.54 -12.90 -0.85 <.SPLRCT>

S&P公益事業 317.48 +1.58 +0.50 <.SPLRCU>

NYSE出来高 9.07億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23135 - 195 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 23135 - 195 大阪比 <0#NIY:>

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

サマーズ氏、オープンAI取締役辞任 エプスタイン元

ワールド

ゼレンスキー氏、トルコ訪問 エルドアン大統領と会談

ワールド

米政権、消費者金融保護局局長にOMB幹部指名 廃止

ビジネス

米8月の貿易赤字、23.8%減の596億ドル 輸入
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中