ニュース速報

ビジネス

アングル:個人消費堅調も一般消費財の株価さえず、原因はアマゾン

2019年11月21日(木)15時58分

 11月15日、米国の消費の強さは経済を支える柱の1つに挙げらているが、一般消費財株の値動きはここ数カ月間さえない。写真はレジがないアマゾンの店舗で在庫を確認する店員。2018年12月10日、ワシントン州シアトルで撮影(2019年 ロイター/Lindsey Wasson)

Chuck Mikolajczak

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国の消費の強さは、経済を支える柱の1つに挙げられることが多く、S&P総合500種が足元で最高値を更新している理由にもなっている。ところが一般消費財株の値動きは、ここ数カ月間さえないままだ。

S&Pの一般消費財セクター<.SPLRCD>が最高値を記録したのは7月15日で、それ以降総合500種は上昇を続けているのに対して、一般消費財は4%近く下落。上値を試しては突破に失敗して水準がじりじりと切り下がり、下降トレンドに入っている様子がうかがえる。

米企業は国内で堅調な消費が維持されていると指摘し続けているのに、一般消費財セクターの株価のほうは振るわない。

実際、今月15日に発表された10月の米小売売上高は持ち直し、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの消費者信頼感指数も反発基調がより鮮明になった。一方、リフィニティブのデータによると、一般消費財セクターで第3・四半期の業績が予想を上回った企業の割合は65%と、S&P総合500種全体の74.6%に届かなかった。同セクターの第3・四半期の前年比増益率も0.9%と、年初に期待されていた9.9%から大きく鈍化した。

アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、デービッド・ジョイ氏は「業績は全般的にかなり勢いがなくなっている。これは消費にやや一服感が出ている表れかもしれない。消費支出は底堅いとはいえ、頑健というわけではない」と述べた。

調査会社CFRAは、年末商戦期の11月と12月の小売売上高が4.3%増加して1兆500億ドルに達すると予想する。ただ同社の小売りアナリスト、カミラ・ヤヌシェフスキー氏は、売上高が伸びるのは政府機関閉鎖の影響があった前年同期と比べるからという面が強く、実態として1年前ほど消費は強くないとの見方を示した。

ボケー・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト最高投資責任者は「小売りセクターに目を向けている投資家にとって今は非常に事態が分かりにくい。売上高はどうなるのだろうか」と述べた。

ヤヌシェフスキー氏は、一般消費財セクターの動きを左右する大きな要素の1つに米中貿易協議を挙げた上で、第1段階の合意が正式調印されて第2、第3段階の合意への道筋がはっきりしたとの楽観論が出てくれば、同セクターに対して年初のような明るい見方が復活する可能性があると付け加えた。

現在の一般消費財セクターの低迷は、20%強と圧倒的なウエートのアマゾン・ドット・コムの不振が原因だ。投資家は金融やエネルギーといったこれまでに売り込まれて割安化したセクターに資金を移動させ、これらの株価は今月に入って3%余り上昇した。

ナショナル・セキュリティーズのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は、一般消費財セクターは、ちょうど投資家が他の出遅れ分野への物色に乗り出そうとした時期に株価がピークアウトしてしまったと説明した。それでも18日からの週は、一般消費財セクターが少なくとも下げ過ぎているとみなす機運になるのではないかとみている。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

焦点:膨張する中国企業の鉱物資源買収、豪加当局が「

ワールド

焦点:中国、コロナワクチン開発で先頭集団に 「戦時

ビジネス

トランプ氏、学校再開へ再び圧力 税制優遇措置など再

ビジネス

英、EUコロナワクチン事前買取案への不参加表明

MAGAZINE

特集:香港の挽歌

2020-7・14号(7/ 7発売)

国家安全法で香港の自由と繁栄は終わり? 中国の次の狙いと民主派を待つ運命

人気ランキング

  • 1

    「金正恩敗訴」で韓国の損害賠償攻勢が始まる?

  • 2

    中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか

  • 3

    科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求める

  • 4

    中国・超大国への道、最大の障壁は「日本」──そこで…

  • 5

    孤立した湖や池に魚はどうやって移動する? ようや…

  • 6

    「香港国家安全法」に反対の立場を取ったトルドーに…

  • 7

    ウイグル女性に避妊器具や不妊手術を強制──中国政府…

  • 8

    どこにも行かない台湾の「なんちゃってフライト」、…

  • 9

    国家安全法成立で香港民主化団体を脱退した「女神」…

  • 10

    新型コロナ、血液型によって重症化に差が出るとの研究…

  • 1

    国家安全法成立で香港民主化団体を脱退した「女神」周庭の別れの言葉

  • 2

    「金正恩敗訴」で韓国の損害賠償攻勢が始まる?

  • 3

    中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか

  • 4

    科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求…

  • 5

    世界最大の中国「三峡ダム」に決壊の脅威? 集中豪…

  • 6

    中国・超大国への道、最大の障壁は「日本」──そこで…

  • 7

    孤立した湖や池に魚はどうやって移動する? ようや…

  • 8

    東京都、新型コロナウイルス新規感染107人を確認 小…

  • 9

    ポスト安倍レースで石破氏に勢い 二階幹事長が支持…

  • 10

    自殺かリンチか、差別に怒るアメリカで木に吊るされ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!