ニュース速報

ビジネス

ウィーワーク株主、前CEOや孫氏ら提訴 上場撤回や価値急落で

2019年11月11日(月)08時52分

 8日、共用オフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーが上場計画を撤回し、企業価値が急落したことは株主への信義則に違反するとして、少数株主の元社員が同社のニューマン前最高経営責任者(CEO)やソフトバンクグループ<9984.T>の孫正義社長らを相手取り訴えを起こした。写真はウィーワークのロゴ。9月30日撮影(2019年 ロイター/Kate Munsch)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 共用オフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーが上場計画を撤回し、企業価値が急落したことは株主への信義則に違反するとして、少数株主の元社員が同社のニューマン前最高経営責任者(CEO)やソフトバンクグループ<9984.T>、同社の孫正義社長らを相手取り、訴えを起こした。

原告のウィーワーク元社員ナタリー・ソイカ氏は、ウィーカンパニーの取締役会が同氏のような少数株主に対する信義則に違反したと主張。今月4日にカリフォルニア州最高裁に集団訴訟を提起した。

ウィーカンパニーは9月末、新規株式公開(IPO)目論見書の取り消しを申請、上場計画を撤回した。

10月には大株主のソフトバンクが新たに50億ドルを支援するほか、30億ドルを上限としてウィーワーク株の公開買い付けを行うと表明。ウィーワークへのソフトバンクの出資比率は80%に高まった。

ソイカ氏は、ウィーカンパニー取締役会がソフトバンクに破格でのウィー株取得を認めるような救済案を受け入れたこと、退社するニューマン氏への17億ドルの支払いを認めたことを非難した。また、被告らの私的な取引も問題視した。

ウィーワークの広報担当者は8日、「訴えには法的根拠がない」と述べた。ソフトバンクと原告側の弁護士からのコメントは得られていない。

ソイカ氏はウィーワークに1年半務めている間に株主となり、自主退職した後、ウィーワークが近く株式を公開する意向で株価が大幅上昇すると聞いてストックオプションを行使したという。

株主訴訟は上場企業に対して行われることが多いが、専門家によると、今回の訴訟でウィーカンパニーが非公開企業である点に問題はなく、また被告らの私的取引については裁判でかなり重視される可能性がある。

原告側は、ウィーカンパニーがソフトバンクやニューマン氏との今後の取引を追認することを阻止し、少数株主からの株式買い戻しを制限することのほか、懲罰的損害賠償を求めている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏銀行、資金調達の市場依存が危機時にリスク=

ビジネス

ビットコイン一時9万ドル割れ、リスク志向後退 機関

ビジネス

欧州の銀行、前例のないリスクに備えを ECB警告

ビジネス

ブラジル、仮想通貨の国際決済に課税検討=関係筋
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中