ニュース速報

ビジネス

欧州市場サマリー(26日)

2018年10月27日(土)03時41分

[26日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。企業利益の伸びが鈍化しているとの懸念が高まる中、英銀大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)やエンジンメーカーのロールスロイスが売り込まれた。

RBSは4.1%下落し、2017年2月以来の安値をつけた。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感を理由に1億ポンド(1億2800万ドル)の引当金を計上したことを明らかにした。第3・四半期決算は、利益が市場予想を下回った。金融株はFTSE100種を21ポイント押し下げた。

ロールスロイスは2.0%下落。エアバスの最新鋭機A330neo向けのエンジン生産が当初予想よりも少なくなるとの報道が売り材料だった。取引時間中は13%安と、1年半ぶりの安値をつける局面もあった。

一次産品の値下がりに伴い鉱業と金属、石油銘柄も振るわなかった。米国の第3・四半期国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったことでドルが上昇し、石油などのドル建て商品が値を下げたことが背景にある。

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。軟調な決算を受けてリスク志向が低下した。

アナリストらは欧州企業の利益見通しを引き下げている。決算が予想を下回った企業は株価が大幅に下落している。

フランスの自動車部品メーカーのバレオは21.0%急落した。ここ3カ月で2度目となる利益見通しの引き下げが嫌気された。欧州の新たな排ガス規制や、中国市場で売り上げが大幅に減っていることを理由として上げた。STOXX欧州600種自動車・部品株指数<.SXAP>は0.95%低下した。

人工皮(ケーシング)メーカー、スペインのビスコファンは19.5%急落し、過去最大の下落幅となった。通期の利益見通しに届かないとの警告が不安視された。

一方、スペインの銀行バンコ・デ・サバデルは5.1%上昇。第3・四半期の利益が予想を上回ったことが好感された。

<ユーロ圏債券> ドイツの国債利回りが7週間ぶりの水準に低下した。イタリアの来年度予算案を巡る協議への不安に加え、米アマゾン・ドット・コムとアルファベットの決算が予想を下回ったことで、安全資産である高格付け国債が買われた。

ユーロ圏の債券利回りは前日に低下。欧州中央銀行(ECB)が理事会で主要政策金利の据え置きを決定する一方で、ドラギ総裁が成長の勢いが鈍化し、先行きに「多大な不透明感」があると指摘したことを受けた。また、

ユーロ圏短期市場では、ECBの利上げ見通しが従来の来年10月から12月に後ずれした。

バイエルンLBのストラテジスト、ミラジ・オスマン氏は、期待外れとなった米ハイテク企業の決算について「決算期待は非常に高く、予想を下回った場合の反応は極めて厳しい」と指摘。また、イタリアの財政赤字を巡るリスク要素もあり、市場がかなり悲観的になっていると述べた。

ドイツ10年債利回りは序盤の取引で一時5.6ベーシスポイント(bp)低下して0.343%を付け、1日の低下幅としては今月最大となった。

イタリア2年債、5年債の利回りは終盤の取引で2─3bp下げ、それぞれ1.45%と2.80%となった。

同10年債利回りは4bp低下して3.46%近辺。ドイツ10年債との利回り格差は310bpとなった。

格付け会社S&Pグローバルは26日にイタリア格付けの見直しを発表する。現在の格付けは「BBB」で、見通しは「安定的」。

アナリストは、格付けの引き下げか見通しのみ「ネガティブ」にするかで予想が割れている。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

訂正-米政権、政治暴力やヘイトスピーチ規制の大統領

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

ガザ全域で通信遮断、イスラエル軍の地上作戦拡大の兆

ワールド

トランプ氏、プーチン氏に「失望」 英首相とウクライ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中