ニュース速報

ビジネス

豪就業者数、4月は前月比+2.26万人 失業率は9カ月ぶり高水準

2018年05月17日(木)14時08分

5月17日、オーストラリア連邦統計局が発表した4月の雇用統計では、労働参加率の上昇を背景に失業率が5.6%と昨年7月以来9カ月ぶりの高水準を付けた。写真はシドニーのビジネス街で2016年9月撮影(2018年 ロイター/Jason Reed)

[シドニー 17日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した4月の雇用統計では、労働参加率の上昇を背景に失業率が5.6%と昨年7月以来9カ月ぶりの高水準を付けた。一方、就業者数は市場予想を上回る伸びとなった。フルタイムが増加した。

豪失業率はほぼ1年間、5.4─5.6%のレンジ内で推移している。

労働参加率は65.6%で、2011年初めに見られた水準付近に上昇。女性の労働市場への参加が増えた。

4月の就業者数は前月比2万2600人増と市場予想の2万人増を上回った。フルタイム就業者数が3万2700人増加する一方、パートタイム就業者数が1万人減少した。

フルタイム就業者数は3月には2万5100人減少していた。

雇用の伸びは年率で2.7%と米国の1.6%の1.5倍以上となった。

雇用統計の発表を受け、豪ドルは1豪ドル=0.7543米ドルに上昇。最近つけた11カ月ぶり安値の0.7413米ドルを大幅に上回った。

需要を満たす労働力の供給拡大を背景に賃金とインフレの上昇圧力は抑制されており、短期的な利上げの可能性はなさそうだ。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は2016年8月に政策金利を過去最低の1.5%に引き下げて以降、据え置きを続けている。市場ではさらに1年は金利が据え置かれるとみられている。

AMPのシニアエコノミストは「雇用は年内、良好な伸びを示す見通しだが、目を見張るほどではないことを踏まえると、賃金の大幅な上昇を見込めない」と指摘。「労働市場の余剰能力が引き続き課題になるだろう」と語った。

BISオクスフォード・エコノミクスのマクロ経済担当責任者、サラ・ハンター氏は「労働市場は昨年、力強く拡大したため、反動が予想されていた。少なくとも年内は、雇用が伸び悩むだろう。これにより、賃金・物価上昇も抑制される。中銀は少なくとも2019年第4・四半期まで様子見に回るだろう」と述べた。

前日発表となった第1・四半期の賃金価格指数は前年比2.1%上昇。2000年代初めに始まった10年に及ぶ鉱山ブームの際は、この2倍の上昇率を記録していた。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「米国の和平案推し進める用意」、 欧

ビジネス

米CB消費者信頼感、11月は88.7に低下 雇用や

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中