ニュース速報

ビジネス

日経平均は小反発、米株先行きへの警戒感根強く上昇を帳消し

2018年02月07日(水)15時49分

 2月7日、東京株式市場で日経平均は、4日ぶりに小反発した。急落していた米国株が上昇に転じ、世界的な連鎖株安にいったん歯止めがかかったとの見方から、朝方には幅広く買い戻しが先行した。写真は東京証券取引所で6日撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 7日 ロイター] -

東京株式市場で日経平均は、4日ぶりに小反発した。急落していた米国株が上昇に転じ、世界的な連鎖株安にいったん歯止めがかかったとの見方から、朝方には幅広く買い戻しが先行した。ただ、アジア株が伸び悩み、米株先物が軟調な動きとなったことから、今晩以降の米国市場の動向への警戒感が再燃し、大引けにかけては上げ幅を縮小した。

朝方の日経平均は、節目の2万2000円を回復し、上げ幅は一時743円になった。前日に業績予想を上方修正したトヨタ自動車<7203.T>が前日比で一時5%高となり、相場をけん引した。だが、米国株市場の先行きには不透明感もあり、買い一巡後は高値圏でもみあう展開となった。

ランチタイムに先物が伸び悩んだことを受け、現物市場でも後場寄りから売りが先行した。市場では「ボラティリティーに連動するシステムトレードが続いている一方で、9日のオプションSQ(特別清算指数)算出に向けたポジション取りも重なり相場がかく乱されている。今晩の米国株を確認するまで安心感は広がりにくい」(国内証券)との声が出ていた。

日経平均ボラティリティ―指数<.JNIV>は、前日比で低下して始まった後、大引けにかけて約5ポイント高い30ポイント台後半までじりじりと水準を切り上げ続けた。日経平均は、この動きに逆相関を示すように上げ幅を縮めた。戻り待ちの売りがかなり厚く、上値を追うには厳しい相場とされた。前場をプラス圏で引けたことで日銀による上場投資信託(ETF)買いも期待されず、投機筋が売りを仕掛けやすい環境と警戒する声もあった。

米ダウ、S&P500、ナスダックといった主要な米株指数の先物はいずれも前日比でマイナス圏を推移。今晩の米国株の動向に対する警戒感が出たとの指摘もあった。「1週間ぐらいはボラティリティーが高そうだ。しばらく日本株は、米金利など海外市場の動向に振らされやすい。米連邦準備理事会(FRB)高官などの相場の動揺を沈静化するような発言があるか注目したい」(三木証券の投資情報部課長、北沢淳氏)との声が聞かれた。

TOPIXは0.37%高だった。東証1部の売買代金は今年2番目に大きい4兆5260億円だった。全33業種のうち、上昇率トップは石油・石炭製品で、医薬品、パルプ・紙が続いた。下落率上位は海運、食料品、その他金融、証券などだった。

個別では、半導体用シリコンウエハー市場の強い需要が継続して2017年12月期の連結純利益が前の期の4.1倍となったと6日発表したSUMCO<3436.T>が大幅高となった。一方、米税制改革法成立に伴って持分法による投資損失が生じるなどとして2018年3月期の連結経常利益予想の下方修正を6日に発表したUACJ<5741.T>が大幅安だった。

東証1部の騰落数は、値上がり1165銘柄に対し、値下がりが821銘柄、変わらずが79銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      21645.37 +35.13

寄り付き    22001.29

安値/高値   21627.13─22353.87

TOPIX<.TOPX>

終値       1749.91 +6.50

寄り付き     1775.42

安値/高値    1749.58─1803.91

東証出来高(万株) 233629

東証売買代金(億円) 45260.22

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中