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日産自、4―6月期営業益12.8%減 米市場鈍化で販売費用拡大響く

2017年07月27日(木)19時50分

 7月27日、日産自動車が発表した2017年4―6月期連結決算では、営業利益が前年同期比12.8%減の1533億円だった。写真は横浜本社で5月に撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[横浜市 27日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>が27日発表した2017年4―6月期連結決算では、営業利益が前年同期比12.8%減の1533億円だった。原材料費の高騰や米国市場での販売費用拡大などが響いた。

ただ、業績は想定通りに推移しており、18年3月期の連結業績予想は従来のまま据え置いた。

田川丈二常務執行役員は会見で、4―6月期について、「原材料価格の上昇、米国市場の鈍化、中国と中東の想定に反する伸び悩み、欧州でのモデルチェンジのタイミングの影響がマイナス要因となった」とする一方、好調な国内販売やコスト削減効果で相殺し、「想定通りの満足のいく結果を残すことができた」と述べた。

4―6月期の営業利益を508億円も押し下げた大きな要因の一つが、米国市場での競争激化によるマーケティング・販売費用の拡大だ。同社は年初に同市場全体の需要を昨年並みの年間1750万台と設定したが、田川常務は「足元は1600万台後半まで下がってきている。そうなると当然、販売競争が厳しくなってきており、販売経費、インセンティブ(販売奨励金)も上がってきている」と説明した。

田川常務は、足元の米国市場全体の需要は過去10年や20年平均と比べるとまだ堅調とみており、現時点のレベルであれば「急激に落ちたり、リーマン・ショックの時のように年1000万台規模まで落ちることがない限り、あまり大きく懸念する必要はない」との見方を示した。ただ、「中古車価格が悪化するかどうかについては、注意深く見なくてはいけない」とも話した。

4―6月期の純利益は同1.1%減の1349億円、売上高は同4.0%増の2兆7604億円となった。世界販売は同5%増の135万1000台だった。このうち日本では、燃費不正問題で影響のあった軽自動車の販売が再開したことや高速道路での単一車線における自動運転技術「プロパイロット」を搭載した車種などの販売が好調で、同45.6%増の13万1000台。米国は同1.2%増の40万3000台だった。

今期の営業利益予想は前期比7.7%減の6850億円。トムソン・ロイターが集計したアナリスト21人の予測平均値は7332億円となっている。

*内容を追加します。

(白木真紀)

ロイター
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