ニュース速報

ビジネス

日産と独ダイムラーの小型高級車開発、コスト問題などで急ブレーキ=関係者

2017年01月06日(金)10時12分

 1月5日、日産自動車と独自動車大手ダイムラーの小型高級車共同開発計画に急ブレーキがかかりつつある。複数の関係者がロイターに明らかにした。写真は都内で2010年4月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[パリ 5日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>と独自動車大手ダイムラーの小型高級車共同開発計画に急ブレーキがかかりつつある。複数の関係者がロイターに明らかにした。

これら関係者の話では、日産は昨年10月、ダイムラーとともに資金を拠出して改良してきたプラットフォーム(車体などの基本部分)の「MFA2」を、高級ブランド「インフィニティ」に使用しないことを決めた。メルセデス・ベンツの技術が盛り込まれた高コストを吸収できるほど、インフィニティの売れ行きが良くないことが一因という。

ある関係者は、インフィニティに設定された販売目標を達成するのが難しすぎると指摘した。

日産の決定は、両社が10億ドルを投じたメキシコ・アグアスカリエンテス工場の作業効率に影響を及ぼす恐れがある。2人の関係者は、同工場では生産工程の省力化とコスト節減のため、両社の小型車が「MFA2」を共有する方針だったと説明している。

また関係者によると、日産はメルセデス用の製造設備がある英国工場への2億5000万ポンド(3億0600万ドル)の投資についても、一部償却を迫られかねない。

関係者は、日産の決定は米大統領選で保護主義的な政策を掲げたドナルド・トランプ氏が当選したこととは関係がないと強調。ただ、日産とダイムラーがメキシコで生産した小型高級車の有力な輸出先とみなしている米国では、原油安を背景に大型車に消費者の需要がシフトしており、インフィニティなどにとって収益性のハードルが高まっている。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インタビュー:円安是正へ日銀利上げ必要、財政規律も

ビジネス

S&P、米信用格付けを据え置き 「関税収入が財政赤

ビジネス

BHP、鉄鉱石安で年間利益5年ぶり低水準 配当好感

ビジネス

タイ、外国人観光客向けに仮想通貨・バーツ決済の試験
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 9
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 10
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中