ニュース速報

ビジネス

ユニクロと東レ、16―20年で取引1兆円へ グローバル・IT化推進

2015年11月17日(火)16時00分

11月17日、ファーストリテイリングと東レは第3期の戦略的パートナーシップを発表した。2016―20年の5カ年で、取引累計額1兆円を目指す。都内のユニクロ店舗で4月撮影(2015年 ロイター/THOMAS PETER)

[東京 17日 ロイター] - ファーストリテイリング<9983.T>傘下のユニクロと東レ<3402.T>は17日、第3期の戦略的パートナーシップを発表した。2016―20年の5カ年で、取引累計額1兆円を目指す。グローバル化とデジタル化を進めることで、前5カ年の見込み額6000億円から大幅に取引を増加させる。

ファーストリテの柳井正会長兼社長は会見で「5年間で戦略的パートナーシップを土台にしてユニクロを世界ナンバーワンのブランドにしていく」と述べた。

東レの日覚昭広社長は「世の中にない画期的な商品を開発し、新たな市場を創造することが重要」と語った。

今後両社は、グローバルに広がる店舗網に応じた最適な生産拠点の構築を進める。国井圭浩・ファーストリテグループ上席執行役員は、中華圏で年間100店舗の出店を計画していることもあり「中国の生産は非常に重要、引き続き強化し拡大する」とした。

一方、中国以外の地域の生産拠点については、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、トルコを挙げた。また、TPP(環太平洋連携協定)の発効などを見据え、東レの田中栄造副社長は「ベトナムでは、かなりのスピードで生産地を構築して行く」とした。

また、最新のデジタル技術を活用することで、購買履歴などのビッグデータを分析、それを素材や商品の開発に生かすという仕組みづくりやサプライチェーンの構築にも取り組む。

柳井会長は「お互いのビジネスモデルを直結させ、世界で最速・最短で消費者の要望を商品化する」とし、最終的には、消費者と工場が直接つながるイメージだという。

両社は1999年から取引を開始。2006年には戦略的パートナーシップを締結し、一体となって開発を進めてきた。2010年までの5カ年で素材・製品供給で2500億円のビジネスとなり、11―15年の第2期は、発表時の4000億円に対し、6000億円まで拡大する見通し。

この間、ユニクロのヒット商品となった「ヒートテック」や「エアリズム」などが誕生した。

*内容を追加します。

(清水律子 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン、EV支援計画を発表 15億ドル規模

ワールド

米、貿易休戦維持のため中国国家安全省への制裁計画中

ワールド

COP30、米国離脱でも多国間主義の機能を示す=国

ワールド

米議員の株取引禁止する法案、超党派グループが採決を
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 10
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中