ニュース速報

ビジネス

トヨタ、天津爆発で約4700台被害 工場停止も26日まで延長

2015年08月23日(日)09時00分

 8月22日、トヨタ自動車は、中国・天津市の港湾地区で起きた危険化学物質倉庫での大規模爆発事故により、同社の完成車約4700台に被害が出たことを明らかにした。17日から実施している工場の稼働停止は26日まで延長する。写真は14日に爆発現場で撮影(2015年 ロイター/Jason Lee )

[東京 22日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は22日、中国・天津市の港湾地区で起きた危険化学物質倉庫での大規模爆発事故により、同社の完成車約4700台に被害が出たことを明らかにした。トヨタ車を生産している合弁工場周辺での安全は確保できておらず、17日から実施している工場の稼働停止は26日まで延長する。

被害が判明した約4700台は、日本から輸出した「レクサス」ブランド車や現地で生産した車で、爆発で窓ガラスが割れたり、車体がへこんだりするなどしていた。同社は被害の程度に関わらず、影響を受けた約4700台はすべて販売しないという。

天津地区にはトヨタと中国自動車大手の第一汽車集団との合弁会社「天津一汽トヨタ」の泰達工場と西青工場があるが、爆発事故を受け、夏季休業明けの17日から22日まで両工場の稼働を停止。23日はもともと休業日で、24日以降の稼働は今後の動向を見ながら判断するとしていた。27日以降については未定という。

同社では爆発現場周辺に住んでいた現地従業員67人が負傷。泰達工場は爆発現場から約2キロほどしか離れておらず、窓ガラスが割れるなどの被害があった。西青工場は約70キロと離れており、事故による被害を直接受けてはいないが、泰達工場からの部品供給が滞るため同様に稼働を停止する。

天津一汽トヨタは中国の主力生産拠点の1つで、小型車「カローラ」などを生産している。2014年の生産実績は約44万台。調査会社IHSオートモティブは、1日当たり2200台の生産に影響が出る可能性があるとみている。

一方、事故現場に近い天津港の通関業務が遅れて輸入部品が届かずに生産できないとして、20―21日は稼働を停止した合弁会社「四川一汽トヨタ」の長春西工場(吉林省長春市)は、当初の予定通り22日に再開した。月内に2日間の振り替え出勤も実施し、生産の遅れを挽回する計画だ。同工場ではスポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」を生産している。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月FOMC、意見分裂鮮明に 12月緩和不支持も

ビジネス

エヌビディア、売上高見通しが予想上回る 株価2%高

ワールド

ゼレンスキー氏、トルコの和平仲介に期待 エルドアン

ワールド

EXCLUSIVE-米、ウクライナに領土割譲含む紛
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 7
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 8
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中