ニュース速報

サウジの原油生産減少、世界の備蓄で対処可能=ロシア

2019年09月16日(月)18時55分

[モスクワ 16日 ロイター] - サウジアラビアの石油施設が14日に攻撃を受けたことについて、ロシアのノバク・エネルギー相は16日、攻撃による一時的な供給減少を補うだけの備蓄が各国にはあるとの認識を示した。

国営石油会社サウジアラムコは、2カ所の石油施設が攻撃を受けた結果、生産が日量570万バレル減少すると説明。これは世界の石油供給の約5%超に相当する。

ノバク氏は、ロシアが生産を拡大する用意があるか、との記者団の質問に対し、サウジがまず、攻撃による影響の予想を示すだろうと指摘。

「現時点では、世界的に中期的に不足を十分カバーする商業備蓄があると理解している」と述べ、サウジのアブドルアジズ・エネルギー相と電話協議する予定であることを明らかにした。

また、ロシアは、石油輸出国機構(OPEC)と同国を含む主要産油国の協調減産合意を守っており、生産水準変更の話をするのは時期尚早だと述べた。

サウジ、米国、中国は数億バレルの戦略石油備蓄を有する。トランプ米大統領は15日、必要に応じて米戦略石油備蓄を放出することを承認したと明らかにした。

国際エネルギー機関(IEA)は、すべての加盟国に、正味の原油輸入の90日分を確保するよう勧告している。

OPEC筋によると、OPECのバルキンド事務局長は、ビロルIEA事務局長と原油市場の動向について協議し、「状況はすでにサウジ当局によって管理下に置かれている」という認識で一致したという。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、原油生産で何らかの対応をとる前に、状況の推移を見守るべきと述べた。

シティバンクは、ロシアには日量29万5000バレル相当の施設が休止しているが、その大半が向こう数日ないし数週間以内に再稼動する可能性があるとみている。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCでの利下げ見送り観測高まる、モルガン

ワールド

トランプ氏、チェイニー元副大統領の追悼式に招待され

ビジネス

クックFRB理事、資産価格急落リスクを指摘 連鎖悪

ビジネス

米クリーブランド連銀総裁、インフレ高止まりに注視 
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中