ニュース速報

日産自、次期CEOの有力2候補に内田・関専務=関係筋

2019年09月13日(金)00時28分

[シアトル/パリ 12日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>の次期最高経営責任者(CEO)に専務執行役員の内田誠氏と関潤氏が浮上している。事情に詳しい4人の関係者が明らかにした。

話し合いは進行中で、なんら決定していないという。 2人の関係者によると、山内康裕暫定CEOも含め他の候補者となる可能性もある。

日産は9日、西川広人社長兼CEOが16日付で辞任し、山内最高執行責任者(COO)が暫定的な後任に就くと発表した。指名委員会が10月末をめどに正式な後任を決めるとしている。

次期CEO人事は、日産の筆頭株主である仏ルノーとのアライアンスの将来に多大な影響を及ぼすことになる。次期CEOは、ルノーと関係強化を推し進める、あるいは一線を画して独自路線を進む可能性がある。

内田氏は、中国事業の統括責任者。関氏は、中国事業の責任者を務めた経験があり、現在はリカバリー担当。

2人の関係者によると、内田氏は、アライアンスの購買担当の経歴も持ち、ルノーや、日産の取締役会のルノー寄りのメンバーから支持されている。一方、関氏は、日産寄りのメンバーの支持を受けている。

「ルノーとしては、内田氏の方がなじみがある。ルノー側は、関氏よりも内田氏の方がはるかに御しやすいと考えている」と日産関係者は語った。

今のところ、日産のコメントは得られていない。

2人の関係者によると、他の取締役会メンバーは、内部要因および幹部として豊かな経験から関氏支持に傾いている。

日産関係者は「関氏は、人間性の面で優れ、日産内で人気がある。同僚や部下からも信頼されている」と語った。

別の関係筋によると、日産の指名委員会は、約10人のリストから候補を絞り込んでいる。

自動車業界専門の人材紹介会社ターンポイント・コンサルティングのアンドレ・リンデキュー代表取締役は、残された時間が少ないことを考えると、現在の経営陣に入っていない人物が次期CEOに抜擢される可能性は低いとみる。

「コーポレート・ガバナンスの改善に重点を置いていることから、経営陣にさほど混乱をもたらさない人物を昇格させる余地がある」との見方を示した。

こうした中、西川氏の辞任を巡って社外取締役の井原慶子氏とジェニファー・ロジャーズ氏が重要な役割を担っていたことが関係者らの話で分かった。それによると2人は西川氏に辞任を迫ったほか、山内氏の暫定CEO就任に向け働き掛けを行ったとみられる。日本企業の取締役会で女性や外国人が影響力を振るうのはまれという。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

8月米卸売在庫横ばい、自動車などの耐久財が増加

ビジネス

10月米CPI発表取りやめ、11月分は12月18日

ビジネス

ミランFRB理事、12月に0.25%利下げ支持 ぎ

ワールド

欧州委、イタリアの買収規制に懸念表明 EU法違反の
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 3
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 7
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中