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焦点:10月増税後もCPI伸び悩み、日銀見通し下方修正の声 

2019年07月19日(金)13時10分

[東京 19日 ロイター] - 6月からの携帯電話通話料金引き下げは小幅な影響にとどまったものの、今後も消費者物価指数には下押し圧力がかかる。エネルギー価格による押し下げなどにより、10月の消費増税実施後もCPIは伸び悩むと見られている。消費の勢いも鈍く、物価上昇を加速させる要因は見付け難い状況。エコノミストからは、7月の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、日銀は19年度の物価見通しの下方修正を行うとの見方が出ている。

6月の全国消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)は前年比0.6%上昇で、2017年7月以来、約2年ぶりの低い伸びとなった。

NTTドコモ<9437.T>とKDDI(au)<9433.T>は6月1日から新料金プランをスタート。6月CPIの携帯電話通信料は前年比5.8%下落したが、寄与度はマイナス0.12、寄与度差はマイナス0.03と軽微な影響にとどまった。

総務省の担当者によると、前年6月も大手の新プラン導入で携帯電話通信料が下落していたことから、前年比での影響は小さかったという。また、条件付きのプランはCPIの対象としないことも背景にある。

6月のコアCPIを押し下げた主因はエネルギー。ガソリンが今年2月以来の下落に転じたほか、原油価格の変動からタイムラグを伴う電気代と都市ガス代は、昨年末以降の原油価格下落の影響が現れてきており、上昇幅が縮小している。

2018年は年末にかけて原油価格が上昇したことから、原油価格が現状水準で推移すると、エネルギーのCPI押し下げは、今後、さらに強まる見通し。

ニッセイ基礎研究所・主席研究員の斎藤太郎氏は「(エネルギー価格が)8月・9月には下落に転じる」とみている。食料品価格がそこそこ上がっており「物価の基調が弱まっているわけではない」としながらも「エネルギー価格下落の影響を打ち消すほどの強さはない」と話す。

さらに家計の所得環境や消費マインド面からも、物価は上がりにくいと指摘する声がある。実質賃金は5カ月連続でマイナス、夏季賞与も弱含んでいるなか「消費者マインドは悪化傾向にあり、消費の勢いは鈍いまま。2%の物価上昇の鍵となる需給改善に伴う物価押し上げ圧力は期待できない状況」(農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏)という。

10月の消費増税によって消費マインドが弱まれば、春先に進んだ価格転嫁の動きが一服する可能性もある。

第一生命経済研究所・主席エコノミストの新家義貴氏は「消費に力強さが欠けることからコアコアが伸び悩むなか、エネルギー価格の鈍化が続くことにより、コアCPIは一段と伸び率を鈍化させていく可能性が高い」とみている。

米中貿易摩擦の懸念から、国際的に商品市況が軟化。6月の企業物価指数は前年比で2年半ぶりにマイナスに転じた。企業物価が上昇を続けた局面でも消費者物価の上昇が鈍く、連動性が薄れているとの指摘はあるものの、商品市況の軟化が長期化すれば、消費者物価にも重石になってくる。

ニッセイ基礎研の斎藤氏は19年度のコアCPIを前年比+0.7%、SMBC日興証券金融経済調査部シニアエコノミストの宮前耕也氏は同+0.9%と予想している。

日銀が4月に公表した展望リポートでは、2019年度のコアCPIの上昇率見通し(政策委員見通しの中央値)は+1.1%となっている。

まだ、年度が始まって3カ月しか経過していないが、4月のコアCPIは+0.9%、5月は+0.8%、6月は+0.6%と1%を割り込んで推移。斎藤氏は「日銀は7月決定会合で見通しを多少下方修正することになるだろう。ただ、20年度、21年度の見方を変える必要はない」とみている。

(清水律子)

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