ニュース速報

中国、貿易戦争拡大しても米金融機関を冷遇すべきでない=業界団体

2019年06月13日(木)12時45分

[上海 13日 ロイター] - 金融業界団体のアジア証券業金融市場協会(ASIFMA)は、中国は貿易戦争が激化して金融業界に波及することになっても、米金融機関の市場アクセスを制限すべきではないとの見解を示した。

ASIFMAはまた、貿易摩擦を背景に減速する中国経済を支えるためには海外から資本を呼び込む必要があるとし、中国政府に国内金融市場の開放を加速するよう呼び掛けた。

ASIFMAのマーク・オースティン最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで、中国当局が米企業と米国以外の外国企業を差別化するのは賢明ではないと指摘。「中国は自国の利益のためにも市場を開放し、透明で公正、非差別的な市場アクセスを提供する必要がある」と語った。

その上で、中国が米国に拠点を置く企業よりも他の外国企業を優遇しているという証拠は今のところないと付け加えた。

中国当局は3月、米銀大手JPモルガン・チェースによる合弁証券会社への過半出資を承認した。

JPモルガンはまた、海外企業として初めて、中国のミューチュアルファンド合弁会社の過半数株式を取得する可能性があるとロイターは前月報じた。

ASIFMAは13日公表の報告書で、中国は米格付け会社フィッチ・レーティングスや米クレジットカード大手のビザとマスターカードの事業認可に時間をかけ過ぎていると批判。ただ、オースティン氏はこれらの問題は貿易戦争とは関係ないとの認識を示した。

「中国当局は透明で非差別的な市場アクセスを提供する必要性を理解しているはずだ。政治的配慮を盛り込めば、金融市場発展に向けた全ての取り組みが台無しになる」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フォード195億ドル評価損、EV需要減退で不可避=

ワールド

英、外国からの政治介入調査へ 元右派政党幹部のロシ

ビジネス

川崎重社長、防衛事業の売上高見通し上振れ 高市政権

ワールド

米16州、EV充電施設の助成金停止で連邦政府を提訴
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中