ニュース速報

トランプ大統領、北朝鮮に対するCIAの情報活動に否定的考え

2019年06月12日(水)10時14分

[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、米中央情報局(CIA)が情報提供者を使って北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に関する情報収集活動を行うことは「私の指揮下では起こらない」と述べ、否定的な考えを示した。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は前日、関係筋の話として、金委員長の異母兄で2017年に暗殺された金正男氏がCIAの情報提供者だったと報道。[nL4N23I0YJ]

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「金委員長の異母兄を巡るCIAに関する情報は承知している。金委員長にはこのようなことは私の指揮下では二度と起こらないと伝える」と述べた。

トランプ氏はこれまでも米情報機関の活動に否定的な認識を示している。

CIAは大統領の発言についてコメントしていない。

オバマ前政権時代に国家安全保障担当の大統領補佐官だったスーザン・ライス氏はツイッターに「いわゆる『最高司令官』について米国民が知るべき全てのことを(この発言が)物語っている」と暗に批判した。

CIAが金正男氏のような情報提供者を使えなくなれば、金正恩体制や、北朝鮮による地域や米国の安全保障への脅威を分析する際の重要な手掛かりが収集できなくなる。

元米情報当局者でブルッキングス研究所所属のジョン・パック氏は電子メールで「大統領が理解すべきなのは、米国の安全維持のためにはCIAが情報収集・分析という任務を遂行できるようにする必要があるということだ。これが幅広い外交、軍事、経済の政策・構想を裏付けることになる」と指摘した。

一方、トランプ氏は金正恩氏から受け取った直近の書簡について「極めて心温まる、素晴らしい書簡だった。北朝鮮は大きな潜在力を持っている」と指摘。金委員長はこれまでのところ長距離大陸弾道ミサイル発射実験や地下核実験は実施しない約束を守っているとし、3回目の米朝首脳会談の可能性は否定しなかった。

「彼は私との約束を守ってきた。それが非常に重要だ」と語った。

北朝鮮は5月に金委員長の指導の下で多連装ロケット砲と戦術誘導兵器の「発射訓練」を実施。トランプ氏はこのミサイル発射を問題視しない姿勢を示したが、大統領補佐官などは国連安全保障理事会の制裁決議違反だと指摘していた。

*見出しを修正しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 10
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中