ニュース速報

ドル108円前半、株高や金利差拡大に無反応

2019年06月05日(水)15時47分

[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の108円前半。日本や中国の株高および日米金利差拡大にも関わらず、ドルはじり安の展開となった。このところ下値を支えてきた実需の買いが後退したことが主因とみられる。

ドルは朝方の取引で108.27円とこの日の高値をつけたあと、徐々に下値を伸ばした。前日のニューヨーク市場では、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が会合の冒頭挨拶で、必要に応じて機動的に利下げする用意があることを示唆。米国株が大幅高となったが、ドルはむしろ小幅安だった。

外為市場では「米中貿易摩擦の激化やメキシコ関税などリスク要因は何も変わっていない」(国内証券)との声が聞かれ、米利下げ期待に踊る株式市場と一線を画した。

債券市場では10年国債指標銘柄の利回りでみた日米金利差が、4日に218ベーシスポイント(bp)、5日に222bp、現在は223bpまで徐々に拡大しているが、ドル/円相場は日米金利差の拡大にも反応を示していない。

市場では「109円台では底堅かったが、108円台に入って(上値が)重いという印象だ。このところドルの下値を支えてきた実需筋もさすがに姿を消したようだ。今後は、一気に円高になるというより、ドルがじわじわと下値を切り下げていくとみている」とFXプライムbyGMO、常務取締役、上田眞理人氏は言う。

ユーロは1.1273ドル、対円では121.74円と小じっかり。

「ユーロ圏の経済に関しては、これといっていい材料も見当たらないが、米国の弱い経済指標や今後の米利下げリスク、トランプリスクなど、ユーロショートをカバーする材料には事欠かない」(外国銀)という。

トランプ米政権が不法移民問題を理由にメキシコに制裁関税を課すと表明したことを巡り、米、メキシコ両国は5日午後3―4時ごろをめどに協議を行うことになった。米当局者が4日明らかにした。

メキシコのエブラルド外相によると、メキシコ側は5日に移民問題に関する提案を示す予定で、この提案が交渉のたたき台になることを期待しているという。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 108.06/08 1.1261/65 121.71/75

午前9時現在 108.24/26 1.1251/55 121.81/85

NY午後5時 108.14/15 1.1251/53 121.66/70

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 3
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 4
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中