ニュース速報

中国国家主席、改革実行呼び掛け 新たな具体策示さず

2018年12月18日(火)18時50分

[北京 18日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は18日、改革開放政策の40周年記念にあたり北京の人民大会堂で演説し、改革の実行を呼び掛けたが、新たに具体的な措置を打ち出すには至らなかった。

習主席は1時間半近くに及んだ演説で、国家経済への支持とともに民間セクターの発展促進を呼び掛け、中国は市場開放への取り組みを強化し、大規模改革を確実に実施すると表明。

社会のあらゆる面において共産党が指導力を発揮すると改めて強調し、中国の特性を反映して社会主義制度を改良するという全般的な目標に沿った形で改革を進めると述べた。

「開放は進展をもたらし、閉鎖は後退につながる」と指摘した。その上で「改革と開放は容易ではなく、今後あらゆる種類のリスクや課題、想像できない暴風雨にさえ直面することは避けられない」と述べた。

証券会社、光大新鴻基の中国支店を統括するジョナス・ショート氏は数日前に共産党の中央政治局会議で行った演説と内容が似ており新しい発表はほとんどなかったと指摘し、政策の方向性を探る上で今週予定される中央経済工作会議が注目されると述べた。

中国は、米国との貿易戦争に経済が圧迫されるなか、改革加速と一段の市場開放を求める圧力に直面している。

習主席はまた、中国が発展を遂げた分野を列挙し、「飢えの苦悩、食料・衣料不足など国民が何千年にもわたって直面してきた困難はほぼ過ぎ去り、もう戻らない」と語った。

演説では中国の経済改革に貢献した人物としてアリババ・グループ、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>、百度(バイドゥ)、吉利汽車<0175.HK>のトップらを含む多数の出席者の名前が挙げられた。

北京で活動する政治評論家の章立凡氏は習主席の演説について、貿易戦争が既に中国経済に打撃を与えており、経済における国家の役割を大幅に低下させる意向はないことを示していると分析した。強力な政府と大きく強大な国有企業、大規模な投資が必要との考えは変わっていないようだと述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、リオ・ティント株売却 資源採取産業から

ワールド

ドイツ外相の中国訪問延期、会談の調整つかず

ビジネス

ヘッジファンド、AI関連株投資が16年以来の高水準

ワールド

ロシア、米欧の新たな制裁を分析中 国益に沿って行動
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 10
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中