<最悪期に115人に達した1日の死者はゼロに>

[ロンドン発]新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発は長期戦になると踏み、ひたすら「集団免疫」の獲得を目指して緩い対策をとってきた北欧スウェーデン。最悪期に115人に達した1日の死者数がゼロになる日もあり、光明が見えてきた。

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worldometerより

100万人当たりの死者数を欧州の主要国や北欧諸国、日本と比べると次の通りだ。第一波を乗り越えた段階でスウェーデンは隣接する北欧諸国や日本に比べ、一桁も二桁も多い犠牲を出してしまった。

【欧州主要国との比較】

ベルギー 851人

イギリス 686人

スペイン 610人

イタリア 582人

スウェーデン 570人

フランス 464人

オランダ 359人

【北欧諸国や日本との比較】

スウェーデン 570人

デンマーク 106人

フィンランド 60人

ノルウェー 47人

アイスランド 29人

日本 8人

(worldometerより)

免疫のできた感染者が壁になり新たな感染を防ぐ集団免疫の獲得を主導してきたスウェーデン政府の疫学者アンデシュ・テグネル氏は地元メディアに対し「第2フェーズは検査と感染者と濃厚接触した人の追跡を徹底してクラスター(集団感染)の発生を抑える」と強調する。

いつの間にか対策を強化していたスウェーデン

異端の「集団免疫」戦略で欧米メディアに激しくたたかれたスウェーデンより日本の方が緩い社会的距離政策をとっていたとは恥ずかしながら知らなかった。

貧困・格差・疫病・飢餓・紛争・気候変動などグローバルな課題に取り組む英オックスフォード大学の統計サイト「Our World in Data」を見てみよう。スウェーデンと日本のパンデミック対策の厳格さは下のグラフが示す通り、緊急事態宣言の解除後は日本の方が緩くなっている。

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Our World in Dataより

スウェーデンは中国式の都市封鎖やマスク着用を採用せず、保育園や小・中学校の一斉休校はしないという先進国では異端とも言える緩い対策を続けている。その一方で50人以上の集会禁止や高齢者介護施設への訪問制限を実施している。

ワクチンや治療薬ができなければ長期的に見てコロナによる死亡率は各国とも同じレベルに達するという科学的思考が背景にはあった。しかし死者数が急増し、実は対策を日本の緊急事態宣言時並みに厳格化していたことがグラフからはうかがえる。

日本より厳格な対策