実際には「カード」は必須ではない

しかしながら、カードがないと日本のデジタル化が遅れるというのは事実ではなく、むしろその逆である。全国民には既にマイナンバーが振られており、システム連携さえしっかりすれば制度はすぐにスタートできる。本人確認の方法はさまざまなので、カードがなくても何の問題もなくシステムの運用が可能だ。

実際、韓国は日本をはるかに上回るマイナンバー制度を整えているが、韓国人はカードというものは保有していない。自分の名前や住所など必要な情報を窓口で伝え、本人であると確認されれば病院でも区役所でも手続きが自動的に進む。

おそらくだが、制度を設計した日本政府内部の担当者やマイナカード導入を強く主張している論者は、カードという物理的なモノが存在しないと本人確認ができないと考えている可能性が高い。

ハード(ハコモノ)という物理的なものにとらわれ、その上位に来るソフトウエアに思考が及ばないという点では、万博とマイナカードには共通のパターンが見られる。こうしたハコモノ行政の発想から脱却できなければ日本経済の復活は難しいだろう。

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