一つには、国会議員の選挙に予備選を導入することです。いくら小選挙区で激しく戦って民意を受けるといっても、野党が全く政治的に立ち位置が異なる場合は、本選挙における選挙民とのコミュニケーションは単純化されてしまいます。ですが、与党内の候補となるにあたって予備選があれば、支持者の中で政策の違いを訴え、支持者の本当のニーズをくみ取るなど、選挙中のコミュニケーションははるかに複雑になります。

そこで候補として鍛えられることは重要です。その制度がなく、例えば1回当選すると「支部長」などという肩書きがついて、問題がなければ次回の公認が得られるという現状ではガチンコのコミュニケーション能力はつかないのだと思います。

党議拘束の縛りをなくす

もう一つは党議拘束を首班指名に限るという改革です。有権者は選挙区ごとに事情が違うわけで、保守政党を支持するにしても期待している政策は異なります。個々の法案について、選挙区に持ち帰って支持者と賛否を討議して、自分の立場を決められるのであれば、そこでガチンコの討論を通じてコミュニケーションのスキルが大いに鍛えられるわけです。

反対に党議拘束があって、別に何も勉強しなくても賛否は自動的に議員団に命令が下りてくる、また有権者との対話も個々の法案については必要ないということであれば、こんなに楽な商売はありません。よく議場で昼寝をしている議員がいるのは、そのためです。

つまり問題は民主主義の質だと思います。予備選がなく公認は密室で決まる、党議拘束があり法案の賛否は密室で決まる、ということでは結局のところ、ほとんど民意との対話をしないで政治ができてしまうのです。その結果として首相になった途端に、国民とのダイレクトな対話を求められて立ち往生する、そこにはこうした民主主義の不徹底という問題があるのだと思います。

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