米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は27日、人類滅亡までの残り時間を示す「終末時計」が2025年から4秒短縮し、残り85秒になったと発表した。理論上の絶滅点である真夜中までの残り時間の短縮は直近4年で3回目。冷戦の緊張が高まりを見せていた1947年の算定開始以来の最短を更新した。

核保有国であるロシアや中国、米国の攻撃的な動き、核軍縮の気運後退、ウクライナや中東での武力衝突、人工知能(AI)の軍事利用を巡る懸念などを要因として挙げた。生物兵器開発への脅威や、AIを利用した世界的な偽情報の拡散のほか、気候変動の課題にも言及した。

同誌トップで米国務省元高官のアレクサンドラ・ベル氏はロイターに「世界で指導力が機能していない状況が見られる」と指摘し、新帝国主⁠義や全体主義的な統治に警鐘を鳴らした。従来の外交枠組‍みが危機に直面しており、核兵器使用のリスクが容認できないほど高いとの見方を示した。

ベル氏は、ロシアによるウクライナ侵攻、米国とイスラエルによるイランへの空爆、インドとパキスタン‍の国境での衝突に言及。朝鮮半島の緊張や中‍国による台湾への威嚇、第2次トランプ米政権下‍で高まっている西半球での緊張についても言及した。

米国とロシア間で唯一の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」は2月の期限切れが迫る。トランプ米大統領は2025年10月、停止されていた「核兵器実験」の再開手続⁠きを米軍に命じたほか、ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束。デンマーク自治領グリーンラン⁠ド領有への意欲を示し、欧‍州の同盟国との緊張が高まっている。

ベル氏は「ロシアや中国、米国などの大国は一段と攻撃的で国家主義的になっている」とし、リスク回避に欠かせない国際協力が損なわれていると指摘した。

同誌は、アルバート・アインシュタインやJ・ロバート・オッペンハイマーなどの科学者によって1945年に創刊された。



[ロイター]
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