<サウジアラビアからの巨額マネーを受け取ったアメリカは、そのお礼として最新鋭のF35売却に動き出した。だが、その一手は中東の軍事バランスを崩しかねない>

ドナルド・トランプ米大統領は11月18日、訪米中のサウジアラビアのムハンマド皇太子に対して、最新鋭のF35ステルス戦闘機を売却する方針を明らかにした。6000億ドルとも1兆ドルともいわれるサウジアラビアの対米投資へのお礼だ。

これに渋い顔なのが、イスラエルだ。F35は同国空軍の主力機であり、これまで中東ではイスラエルだけが保有してきた。

それをサウジアラビアも保有することになれば、中東におけるイスラエルの軍事的優位が揺らぐ恐れがある。既にロン・ダーマー戦略問題担当相が、この懸念を米政府に伝えたとされる。

一方、米国防総省は別の懸念も示している。ニューヨーク・タイムズ紙によると、サウジアラビアは中国と防衛協力関係にあるため、F35の先進技術が中国に流出する恐れがあるというのだ。

アメリカは、イスラエルがアラブ諸国に対して「質的軍事優位性(QME)」を維持できるよう保証することを法的に定めている。

イスラエルのエリ・コーヘン・エネルギー相は17日、地元テレビ局で、アメリカがサウジに「F35を与えるならイスラエルはステルス戦略爆撃機B2を手に入れる」と述べ、イスラエルの軍事的優位は「維持されなければならない」と強調した。

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