<ハマス最後の拠点「ラファ」への攻撃に、イスラエル軍がインド製のドローンを投入か。インド政府はイスラエルとの連帯を表明しつつ、パレスチナ国家の建設を支持する>

2月上旬、イスラエル軍がガザ地区南部の都市ラファへの攻撃を開始しようとしていた頃、インドのメディアであるニュースが報じられた。

イスラエル軍がインド製のドローン(無人機)を監視と空爆のため投入するとのことだった。

近年、インドのモディ首相はイスラエルへの接近を強めてきた。

昨年10月7日にパレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した直後には、米政府などに先立って、世界の指導者の中でいち早く、「イスラエルとの連帯」を表明している。

しかしその一方で、インド政府は、イスラエルのパレスチナに対する軍事行動に関しては中立の立場を貫いていて、パレスチナ国家の建設を支持する姿勢を変えていない。

12月には、ガザでの即時停戦を求める国連総会決議にも賛成票を投じている。

インド政府がこのような姿勢を取る主たる理由は、ペルシャ湾岸諸国との関係にある。

湾岸産油国はインドの原油輸入のかなりの割合を占めていて、これらの国々で働くインド人も多いのだ。

実際、2月半ばに、モディはアラブ首長国連邦(UAE)とカタールを訪問している。

ドローンをめぐる報道が事実だとすれば、インド政府はイスラエルとの関係強化に関して、より大きなリスクを伴う行動に乗り出そうと決めたと見なせる。

もしかすると、インド政府は最近のいくつかの出来事をきっかけに、自国の経済的な影響力への自信を深めているのかもしれない。

2022年8月に8人の元インド海軍の軍人がカタールで逮捕されて、その後死刑を言い渡された。

しかし、インド政府がここ数カ月、圧力をかけて交渉を重ねた結果、この2月に入って8人は解放された。

両国政府は逮捕と釈放の理由を明らかにしていないが、報道によると、8人は秘密文書をイスラエル側に提供した容疑をかけられていたという。

注目すべきなのは、元軍人たちが解放される直前に、インドとカタールがエネルギー関連の大規模な合意を結んだことだ。

向こう20年間にわたり、インドが毎年750万トンの液化天然ガス(LNG)をカタールから購入するという内容だ。

そしてその後ほどなく、モディがカタールを訪ねて「2国間の協力関係をさらに拡大・深化させる」ことを約束したのである。

インド政府はこの一件や同様の出来事を通じて、イスラエルへの接近に関してこれまで以上に思い切った行動を取っても問題ないと考えるようになったのかもしれない。

インドが湾岸諸国に対して強気な理由
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