「どうやれば(台湾の)島をきちんと防衛できるのか。(台湾)政府の承認もしていないというのに」

中国の側では、この地域のアメリカの同盟国が台湾有事に際して何らかの役割を果たそうとするかどうかを新たに計算に入れなければならない。多国間主義的アプローチこそバイデンの外交政策のめざましい成果の1つであり、台湾の安全保障を巡る懸念が国際的に共有されるようになったのもそうだ。

それは昨年4月にバイデンが、当時の日本の菅義偉首相をホワイトハウスに迎えた時に始まった。両首脳は「台湾海峡における平和と安定」を求める文言を含む合同声明を出したのだ。

それから15カ月。この文言はG7やEUを含むさまざまな2国間もしくは多国間の声明に登場した。

「台湾海峡における平和と安定」という文言が加えられることがいかに重要性かは、中国政府がしばしば抗議の声を上げていることからも明らかだ。5月末にも、バイデンとニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は共同声明の中で同様の考えを強調した。

<H4>高まる日本の重要性

特に日本にとって、最西端に位置する与那国島は台湾と100キロほどしか離れておらず、台湾有事は防衛計画を立てる上で差し迫った問題だ。

日本はアメリカにとり、アジアにおける条約に基づく同盟国の中でも特にコミットメントが大きい国であるとともに、国外で最も多くの米兵が駐屯している国でもある。そんな日本が台湾を巡るアメリカと中国の紛争に巻き込まれる可能性は否定できない。もし人民解放軍が日本国内の米軍基地を強く意識するようになった場合は特にそうだ。

だが日本政府は、アメリカの意図がはっきりしないままでは自衛隊の効果的な行動計画を立てることはできない。バイデン発言が日本で前向きに受け止められたのも無理はないだろう。

日本の安倍晋三元首相はバイデン発言について「(大統領が自らの)意志を示した」との見方を口にした。安倍は親台・対中強硬派と目されており、あいまい戦略の放棄を求めている。

また安倍は、アメリカがあいまい戦略を取り入れた頃とは違い、米中の軍事力の差が縮まってきている昨今、同戦略の継続は危険だと説いた。そしてバイデン発言は中国へのメッセージであり、抑止力の強化につながるとの考えを述べた。

また安倍はこうも説いた。もしアメリカが、中国による台湾への軍事侵攻があれば介入するとの立場を明確にしていれば、アメリカとの戦争突入は望んでいない中国は台湾侵攻をあきらめざるを得なかったはずだ──。

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