ところが新政権になって方針が変わった。それでEUとの関係を修復できると期待したのだろうが、それは間違いだ。ドイツ=EUではない。ドイツにはドイツの利害があり、たまたまこの問題では、それがロシアの利害と一致した。しかしそれは、大西洋をまたいだ米欧同盟の利害とは一致しない。われわれはノルドストリーム2を阻止し、ロシアが天然ガスを売って稼ぎ、その資金を軍事力強化に振り向けるのを阻止したいと思っている。

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ロシアのプーチン大統領 SPUTNIK PHOTO AGENCY-REUTERS

――あなたは低所得者向けの住宅建設や子育て支援などで、EU圏でも有数の進歩的な社会政策を実施し、しかも財政赤字を増やさずにいる。どうして可能なのか?

財務省に最新のITツールを導入したからだ。人工知能(AI)のアルゴリズムを税務署の仕事に全面的に採用した。職員の訓練やシステム開発の手間はかかったが、とにかくシステム全体を刷新した。

それで税収が劇的に増え、おかげで税率を下げることもできた。中小企業の法人税率は9%に、個人の所得税率も18%から17%に引き下げた。課税控除の範囲もヨーロッパで最高水準に広げる計画だ。財政システムの改善も進めている。

――最後に、巨大IT企業との関係について。このところ、貴国の政府は積極的な動きを見せている。アメリカのグローバルなIT企業やSNS大手に対し、国内法や言論の自由を保障したポーランド憲法に抵触する検閲行為を理由に罰金を可能にする法制を検討していると聞く。法制化の見通しは? いつ頃から実施されるのか?

今の時代は、そういったルールを決める者が社会の、そして国家の運命を握る。だからインターネットのプラットフォームやネットワーク、それに知財は土地や建物よりも重要だ。デジタル製品を造る工場や原料よりも重要だ。その力関係は複雑に絡み合っていて、まるで巨大なジグソーパズルだ。

今は、誰がルールを決めているのか分からない。一国の政府にはそんな能力もない。結局は巨大IT企業が勝手に決めている。たいていは自社に都合のよいルールだが、それが社会にとって有益とは限らない。だから国家が介入して、検閲や独占的地位の乱用を防がねばならない。

わが国の法案はまだ議会で審議中だが、必ず成立させる決意だ。できればEUと一緒にやりたいが、無理ならば自国だけでもやる。

現在は2つの面でEUと協議している。1つは言論の自由を守り検閲を排除すること。もう1つはデジタル課税、つまりIT企業が実際に収益を上げている国で、その利益に課税する仕組みだ。ルクセンブルクやキプロス、スイスなどのタックスヘイブンを利用した税金逃れは認められない。そんなやり方では、われわれの経済が持たない。

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