急な石段が続く山道を、2体の人型ロボットが歩いている。先を行くロボットをもう1体が追い抜くと、追い抜かれた側も速度を上げて追いかけようとする。しかし、加速した次の瞬間、足を滑らせてバランスを崩し、転倒してしまった。

一方、同じ山道を進む四足歩行の「ロボット犬」は、段差をものともせず、軽快に石段を登っていく。人間に近い姿のロボットと、動物のような四足歩行ロボット。その動きの違いが際立つ光景だ。

中国東部・山東省泰安市の泰山で11月2日、「第1回世界ロボット泰山登山大会」が開催された。大会には各地からロボットが集まり、実際の山道を舞台に登山能力を競った。

中国国営メディアCGTNが同日公開した映像では、2号機が鮮やかな追い抜きを見せる一方、3号機が加速中に足を滑らせる様子が紹介されている。

泰山は中国五岳の一つに数えられる名山で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。山頂へと続く道には長い石段が連なり、観光客にとっても決して楽な登山ではない。

人型ロボットにとって、こうした環境は大きな試練となる。平坦な床とは異なり、段差の高さや足場の状態に合わせて重心を調整し続けなければならないためだ。

今回の映像で対照的だったのが、四足歩行ロボットの安定した動きだ。4本の脚で体を支えながら段差を越える姿は、人型ロボットとは異なる設計の強みを印象づけた。

もっとも、今回の一場面だけで両者の性能を単純に比較することはできない。人型ロボットは人間向けに設計された環境での作業など、四足歩行型とは異なる用途も想定されている。

それでも、研究室や展示会場ではなく、実際の山道でロボットを競わせる試みは興味深い。人間のように歩くことと、険しい自然環境を安定して移動することは、必ずしも同じではない。

人型ロボットが追い抜き合いの末にバランスを崩す一方、ロボット犬が石段を軽快に進む──。そんな対照的な姿が映像に収められている。

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