活用と情報保護を両立させるAIの安全な使い方に注目
「AI、"安全に"使えていますか?」との問いかけにドキッとする人もいるだろう。B-Roca(文京区)のSaaS「ミハル」は、組織が許可していないAI、いわゆる「シャドーAI」の利用を検知し、可視化する。学生が支持したのは、AIを禁止するのではなく、活用と情報保護を両立させようとする姿勢。授業やゼミ、サークルで生成AIを使う際に、個人情報や授業資料、未公開の研究データをどう扱うか。大学での利用ルール教育や、アルバイト先での顧客情報の保護にも通じる問題として捉えていた。AIを当たり前に使う世代だからこそ、より適切な使い方の作法に目が向いている。
saeumsoft(セウムソフト、韓国)を選んだ学生は、つい予定を詰め込みすぎる自分の癖から関心を持った。社会人になれば予定管理はさらに重要になる。日々のスケジュール管理に加え、外国人客の多いアルバイト先でのリアルタイム翻訳、音声とキャラクターによる会話を子育てに生かす使い方まで想像を広げている。
OMOTION(オモーション、韓国)は、3DキャラクターとAIエージェントを組み合わせ、人と話しているような体験を提供する。VRやMRで現実には難しい表現ができる点に学生は注目。少子高齢化や空き家、防災といった地域の課題をVR・MRで「見える化」すること、3Dキャラクターを面接官役にしたAI模擬面接で就職活動の練習をすることを提案している。
AgiBot(アジボット、中国)のヒューマノイドについて、学生は人手不足で需要が高まるなか、見た目や能力がどこまで人に近づくのかに関心を寄せた。同時に、ロボットが暴走するリスクをどう管理するのかという問いも投げかけている。活用先としては、飲食店の調理のような細かい作業や、高齢化と人手不足が進む農業で「人が管理し、ロボットが植え付けや収穫を担う」分業を描いた。
Chengdu Humanoid Robot Innovation Center(CHRIC、中国)は、公共の場で人に付き添う伴走型ロボットを紹介する中国・成都の機関である。ロボットは障害物を避けて移動し、ダンスを披露し、表情や声から感情を読み取って来客に対応する。学生はレストランでの活用を想定し、人数や予約の確認、席への案内、メニューやおすすめの説明、待ち時間のパフォーマンス、食後のアンケート回収までをロボットに任せる店づくりを構想した。
CONNECTEVE(コネクティーブ、韓国)は足の動きや骨格をAIで分析し、リハビリの効果を数値で示せれば、回復の進み具合を客観的に把握できる。同社を選んだ学生の動機は、家族が転倒してけがをした経験だった。AIによるリハビリ支援や手術支援で医療がどう進歩するのか、一人ひとりに合った治療ができるようになるのかを知りたいという切実な思いがのぞく。患者への説明を支援する機能があれば、医師や理学療法士とのやり取りもスムーズになり、患者の負担を減らせると期待を寄せた。
和洋女子大学AIライフデザイン学科 学生記者チーム
和洋女子大学(千葉県市川市)に新設されたAIライフデザイン学科の学生記者らによる今時Z世代の視点を通じたルポや体験記。国内の展示会やAI活用型の最新製品・サービスを独自の目線で取り上げる(協力:南龍太)