Joseph Ax Jason Lange Brad Heath
[ワシントン 3日 ロイター] - 3日投開票の米中間選挙で、民主党が上下両院の過半数を奪還した。共和党の牙城にも食い込んで幅広い勝利を収め、有権者がトランプ大統領に厳しい審判を下した形となった。
民主党躍進の規模や広がりはなお全容が明らかになっていないが、サウスカロライナ、テキサス、アイオワといった保守地盤を含め、長らく勝利は困難と考えられていた州も制した。
こうした結果は、トランプ氏の経済運営と、ガソリン価格の急上昇を招いた2月の対イラン開戦の決断に対する有権者の根強い不満を浮き彫りにした。相次ぐ世論調査で、有権者は生活費への不安やトランプ氏の対応に怒りを示していた。
カンザス州の上院選では、牧師アダム・ハミルトン氏が約1世紀前の大恐慌期以来初めて、民主党候補として議席を獲得した。
オハイオ州では、民主党のシェロッド・ブラウン氏が、2024年にはバンス副大統領が保持していた上院議席を奪取した。テキサス州では、民主党のジェームズ・タラリコ州下院議員が共和党のケン・パクストン州司法長官を破った。オハイオ、テキサス両州では、24年の大統領選でトランプ氏が得票率で2桁の差をつけて勝利していた。
トランプ氏が24年に18ポイント近い差で勝ったサウスカロライナ州では、小児科医のアニー・アンドリューズ氏が、共和党のダーリーン・グラム上院議員を破った。グラム氏は、兄のリンゼー・グラム上院議員の死去に伴い、後任に任命されていた。
トランプ氏は、パクストン、グラム両氏に明らかな弱点があるにもかかわらず、より実績のある候補者よりも優先して両氏を推した。パクストン氏は23年の弾劾や証券詐欺罪での起訴など数々の問題を抱え、グラム氏は自ら認めた経験不足が批判的に報じられていた。
トランプ氏は選挙戦終盤、24回を超える集会を開くなど精力的に遊説し、パクストン、グラム両氏とオハイオ州のジョン・ハステッド上院議員を重点的に応援。支持者らに「私が立候補しているつもりで投票してほしい」と繰り返し呼びかけた。
しかし、3日夜に共和党が上下両院の過半数を失う恐れが明らかになると、トランプ氏は交流サイト(SNS)に「私は立候補していなかった。もし立候補していたら、われわれは圧勝していただろう!」と投稿した。
民主党は共和党が保有していた上院議席を計6議席奪取。接戦となっているミシガン、ミネソタ両州で自党の議席を守れなくても、過半数を確保することになった。
下院でも民主党は、ケンタッキー、ニュージャージー、ノースカロライナなどの州で共和党から少なくとも8議席を奪い、保守色の強い選挙区でも健闘しており、過半数を獲得する見通しとなった。
民主党の優勢は他の選挙にも及んだ。テキサス州では3期目の現職、グレッグ・アボット知事が民主党のジーナ・イノホサ氏に敗れた。保守地盤のアイオワ、オハイオ両州でも民主党が知事選を制した。
<「トランプ氏に厳しい審判」>
ジョージア州で当選確実となった民主党現職のジョン・オソフ上院議員は、勝利を祝う集会で支持者に「米国民は広範かつ決定的な勝利を通じて、ドナルド・J・トランプ大統領という人物の堕落、腐敗、無能さに厳しい審判を下した」と語った。
フロリダ州では共和党のアシュリー・ムーディ上院議員が民主党のアンジー・ニクソン氏を退けた。ただ、ロイターとUSAトゥデーがまとめた開票集計によると、得票率の差は約3ポイントにとどまった。同州では24年にトランプ氏が13ポイント差で勝っており、共和党の強固な地盤でさえ民主党に大きく傾いていることを改めて示した。
民主党は、フロリダ州の共和党議員らが26年に区割りを変更した下院の3選挙区でも議席を守った。いずれも24年の大統領選では、トランプ氏が9ポイント以上の差で勝った選挙区だった。
主要テレビ局やAP通信など米メディアの連合体の委託で調査会社SSRSが実施した出口調査によると、全米の有権者の半数が26年の中間選挙を大統領に厳しい審判を下す機会だと捉えていた。また、約75%が国の進む方向に「怒り」または「不満」を感じていると答えた。
さらに、回答者の70%が議会に大統領への監視・抑制機能を一段と強めることを求めた。