Andrew Goudsward Luc Cohen
[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米大統領の下で、司法省は3日の中間選挙に直接介入する姿勢を示している。特定の政党や候補者を利するために法執行権限を使っているとみられないよう、数十年にわたり守られてきた慣行からの転換だ。
カリフォルニア州では、司法省が約2万人の郵便投票を他の票と区別して取り置くよう求めた。これらの有権者は米国籍を持たず、投票資格がない可能性が高いと主張している。
アラスカ州では、共和党現職のダン・サリバン上院議員と同姓同名の候補が、有権者を混乱させる目的で立候補したかどうかを巡り、司法省が刑事捜査を強化した。同議員が僅差で敗れた場合に選挙結果の認定を阻止するよう求める訴訟も起こしたが、連邦判事が1日、訴えを退けた。
両州を相手取った司法省の訴えは、いずれも裁判所に退けられた。それでも、開票や結果の認定を待たずに選挙を巡る争いに介入しようとする同省の姿勢が浮き彫りになった。
トランプ氏が中間選挙への疑念を広めようとした場合、司法省がその動きを加速させかねないと懸念する声が上がっている。司法省による選挙への介入は従来、人種的少数派や弱い立場にある人々が支障なく投票できるようにするための連邦法の執行が中心だった。
ブランチ司法長官は、同省の取り組みは合法で、投票の公正さを守ることが目的だとしている。司法省のペルズ報道官は声明で「司法省はどの陣営にも肩入れしていない。法律を執行しているだけだ」と述べた。
司法省で公民権への脅威に対する選挙対応の責任者を務め、その後「法の支配プロジェクト」を設立したマーク・ブルームバーグ氏は「政権は以前なら禁じられていた形で司法省に影響力を持たせたいようだ」と語った。
共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領の下で司法長官代行を務めたピーター・カイスラー氏は「司法省が法執行の判断で信頼を得るには、政党間の争いでどちら側にも立たないことを人々に理解してもらう必要がある」と述べた。アラスカ州の訴訟について「肩入れしているように見えるだけでなく、実際に肩入れしているのが明らかだ」と指摘した。
<トランプ氏が任命した幹部の権限拡大>
司法省は従来、選挙を巡る捜査に慎重に臨んできた。司法省が関与すると不透明感が生じたり、候補者や政党に利用されたりする恐れがあるためだ。
司法省の元当局者によると、選挙法に精通した専門家で構成する公職不正担当部門は、選挙結果が認定されるまで介入を控えるよう捜査官や検察官に助言することが多かった。
トランプ政権は同部門を大幅に縮小し、選挙汚職の捜査で連邦検察官に同部門との協議を義務付ける規定の適用を停止した。関係者3人によると、 捜査官や検察官には、解決できない問題はトランプ氏が政治任用した幹部が判断すると伝えられた。
捜査官と検察官の間で意見が対立した場合は司法副長官室が調整に当たるという。司法省の元当局者は、選挙関連の捜査で同室がこうした直接的な役割を担うことはほとんどなかったと指摘した。