David Brunnstrom

[ワシントン 21日 ロイター] - フィリピンのカリノ駐米次席公使は21日、海底ケーブルの保護や「グレーゾーン」活動への対処を巡り、台湾との協力強化を模索していると述べた。フィリピンは台湾ではなく中国を承認する「一つの中国」政策を維持しているが、協力を進める方針を示した。

フィリピンと台湾は、直接的な対立を避けながら圧力をかける中国の活動に繰り返し不満を表明してきた。中国は台湾を自国領と主張しており、南シナ海では台湾、フィリピンの双方と領有権の主張が重複している。

カリノ氏はワシントンのシンクタンク、新米国安全保障センターのセミナーで、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡で共通の利益を守るため、台湾とのこうした「現実的かつ実務的なアプローチ」が必要だと述べた。

カリノ氏は海底ケーブルの安全確保と南シナ海の緊張を関連付けたが、中国を名指しすることはなかった。

同氏は、大陸間のデータ通信のほぼ全てが海底ケーブルを経由していることに加え、「サイバー事案の60─67%がわれわれの地域で発生している」ことから、海底ケーブルの安全確保は極めて重要だと指摘した。

「海底ケーブルは保護すべき極めて重要なインフラであり、それゆえ台湾の友人との協力強化を模索している」と述べ、「一つの中国」政策を維持しながらも、こうした取り組みを進めていると説明した。

フィリピンと台湾は「知識の共有や能力構築を含む、実務的でより現実的な協力の進め方」を模索しているとし、「この協力は、われわれの地域におけるグレーゾーンの問題への対処につながると考えている」と語った。

共同巡視や、通信を妨害した船舶の責任追及も協力に含まれ得るかとの質問には、詳細は把握していないとした上で、「この協力は絶えず発展していると確信しており、今挙げられた取り組みの一部は実際に実現しつつあるかもしれない」と述べた。

台湾当局は、中国と関係する船舶が絡む海底ケーブルの事案が相次いだことを受け、台湾と世界を結ぶ上で不可欠な海底通信回線の保護を強化している。

フィリピン沿岸警備隊は今月、北部バタネス州沖の海底ケーブル敷設ルート付近で活動していた中国の調査船に対処するため、保有する最大の船舶と航空機1機を派遣したと発表した。

同じセミナーに出席した台湾の楊懿珊駐米副代表は、海底ケーブルを損傷させた中国人船長が台湾で収監された件に言及。台湾は海洋監視を強化するため、無人システムの開発に一段と資源を投入すると述べた。

楊氏は、海底ケーブルへの妨害は国連で取り上げるべき問題であり、国連は「不適切な行動」を防ぐ仕組みを検討すべきだと述べた。

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