Jaspreet Singh
[21日 ロイター] - 米メタ・プラットフォームズは21日、年間設備投資見通しの下限を引き上げるとともに、無議決権株を新たに発行すると発表した。巨額の投資が必要なAI(人工知能)事業拡大の資金を調達する。消費者向けAIエージェントアプリ「ミューズ」の利用が急拡大していることも明らかにした。
また、第4・四半期の売上高見通しも市場予想を上回り、メタの株価は時間外取引で4%超上昇した。
メタは2027年1月に議決権のない新たなクラスC普通株を発行する。実質的には1対2の株式分割となる。AI開発競争が激化する中、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の支配権を維持しつつ、企業買収や優秀な人材の確保に必要な資金を調達することが狙い。
ザッカーバーグ氏は、米国とカナダでは1カ月半で1000万人超がミューズのアカウントを開設し、その後も力強い伸びが続いていると指摘。ミューズが「数十億人」に利用されるようになり、メタの平均的なユーザーよりも多くの収益を生み出す可能性があるとの見方を示した。
26年の設備投資額見通しは1350億─1450億ドル。従来見通しは1300億─1450億ドルだった。
第3・四半期(9月30日まで)決算は、売上高が646億ドル。LSEGが集計したアナリスト予想の633億7000万ドルを上回った。
希薄化後1株利益(EPS)は3.83ドル。8月の和解に関連する98億9000万ドルの費用計上がなければ、7.40ドルだったとしている。
第3・四半期のフリーキャッシュフロー(FCF)は21億2000万ドルのマイナス。前年同期は106億3000万ドルのプラスだった。
第4・四半期の業績見通しは、売上高が730億─760億ドル。市場予想は737億3000万ドルだった。
ザッカーバーグ氏は声明で「われわれの投資は成果を上げている。中核事業は好調で、全分野で勢いがみられる」とした。
消費者向けAIエージェントのミューズが早くも人気を集め、競争力のある新たなAIモデル群も公開されたことで、メタは投資家に巨額支出の妥当性を説明しやすくなった。ただ、安全性への懸念から、ミューズによるアクセスを制限している企業もある。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏は「市場はメタの支出を嫌気する姿勢から、魅力的な製品の成長シナリオを評価する姿勢へと変わった」と述べた。
一方、法的問題も増えている。米ニューメキシコ州の判事は21日、メタに対し250億ドルの支払いを命じた。トランプ氏の2016年米大統領選陣営に関与した政治コンサルティング会社がフェイスブック利用者数百万人のデータを本人の同意なく取得したとされる問題を巡る訴訟で、陪審がメタは利用者を欺いていたと認定したことを受けた。
イーマーケターのシニアアナリスト、ミンダ・スマイリー氏は、250億ドルの制裁金について「メタが現在直面している法的問題の深刻さを改めて示している。こうした問題は27年も続く」と述べた。
さらに「AIエージェントが一段と普及すれば、プライバシーと安全性に関する疑問や懸念は強まるばかりだ。この分野でのメタの評判を踏まえると、最終的に同社に打撃を与える可能性がある」と語った。