[21日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが21日発表した第3・四半期(9月30日まで)決算は、人工知能(AI)とロボット事業への支出が市場予想を大幅に下回り、キャッシュフローが予想外の黒字となった。
イーロン・マスク氏は20日、自身が率いる宇宙開発企業スペースXとテスラの経営統合は「良い案だ」と述べ、両社が統合を協議する特別委員会を設置したことを明らかにした。
テスラは難しいかじ取りを迫られている。投資家が統合の可能性を踏まえて同社の企業価値を見極める中、予想外のキャッシュフロー黒字は評価を支える材料となり得る。ただ、企業価値の多くがAI、自動運転タクシー(ロボタクシー)、人型ロボットへの期待に支えられているため、投資を抑えて手元資金を確保すれば、投資家が期待する成長シナリオそのものを損なう恐れがある。
テスラに連動する上場投資信託(ETF)を提供するディレクションで商品・戦略担当シニアバイスプレジデントを務めるライアン・リー氏は「設備投資額が鍵を握る数字のようだ」と指摘。「市場は引き続き、多すぎず少なすぎない『適温』を求めている」と述べた。
テスラ株は時間外取引で約0.5%上昇した。
第3・四半期の設備投資は47億ドルと、前年同期の2倍超となったものの、前四半期の水準と、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の75億ドルをいずれも下回った。
フリーキャッシュフローは15億3000万ドルの黒字。予想は49億2000万ドルの赤字だった。
売上高も市場予想を上回った。ガソリン高を追い風に特に欧州で納車台数が回復したことや、エネルギー貯蔵部門の成長が売上高を押し上げた。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、トーマス・モンテイロ氏は「(スペースXとの)統合のハードルは依然として高いが、今晩の決算を受け、財務面での合理性は無視しにくくなった」とした上で「重要なのは、テスラの四半期キャッシュフローが予想外の黒字になったのは利益が増えたためではなく、支出が計画を数十億ドル下回ったためだという点だ。一方でスペースXは、1四半期に最大400億ドルを投資する準備を進めている」と述べた。
<納車回復で売上高が予想上回る>
第3・四半期の売上高は280億5000万ドルで、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の278億8000万ドルを上回った。前年同期の売上高は281億ドルだった。
車両納車台数は48万6532台で、市場予想の約46万1100台を上回った。前年同期からは約2%減少した。