Gayatri Suroyo Stefanno Sulaiman

[ジャカルタ 21日 ロイター] - インドネシア中央銀行は21日、主要政策金利を据え置く一方、預金ファシリティー金利を引き上げ、預金準備率を引き下げると発表した。市場の変動に対応するとともに、雇用創出を支援する狙い。

ルピアはここ数日、再び下落圧力にさらされている。MSCIが前週、インドネシア株を「スタンドアローン市場」に分類変更する可能性を警告したことをきっかけに、株式市場で大規模な売りが広がった。株式市場は16日と19日の2営業日で記録的な急落となり、下落幅は1998年のアジア金融危機時を上回った。

中銀は指標となる7日物リバースレポ金利を5.75%に据え置いた。ロイター調査ではエコノミスト29人中15人が政策金利を5.75%に据え置くと予想した一方、13人が25bp、1人が50bpの利上げを見込んでいた。

翌日物預金ファシリティー金利は25bp引き上げて5.00%とし、貸出ファシリティー金利は6.50%に据え置いた。

ダマヤンティ総裁によると、中銀は預金準備率を11月初めまでに9%から8%に、12月1日に7%に引き下げる。これにより流動性が190兆ルピア(105億6000万ドル)増える。流動性供給の優遇制度も調整する。

ジュフロ副総裁は「複数の課題に対応しているため、それぞれ異なる政策で対処する必要がある」と指摘。預金ファシリティー金利の引き上げは市場安定を支えるためとする一方、預金準備率引き下げは融資の自由度を高め、雇用創出につながる可能性があるとした。

キャピタル・エコノミクスのシニアアジアエコノミスト、ガレス・レザー氏は、一連の措置は「非常に分かりにくい」と指摘。「(ルピアの下支えと成長促進という)2つを同時に実現しようとしているとようだが可能かどうかは分からない。いずれにせよ、中銀の信認を一段と損なう恐れがある。発表後、ルピアはやや下落した」と語った。

ジャカルタのダナモン銀行のエコノミスト、イルマン・ファイズ氏は、預金ファシリティー金利の引き上げについて、預金準備率引き下げで増える流動性が短期金融市場の金利を過度に押し下げ、ルピアの金利収益面での魅力を低下させるのを防ぐ効果が期待できると述べた。

<為替ヘッジ費用の割引拡大>

ダマヤンティ総裁によると、外国人投資家へのルピア資産の魅力を高めるため、中銀は国内ノンデリバラブル・フォワード(NDF)を使った為替ヘッジの費用割引を拡大する。中銀は過去数カ月にわたり為替ヘッジ費用を割り引いており、これにより99億ドルの資本流入があったという。

MSCIについて、ダマヤンティ氏は「われわれは国内資本市場の動向を引き続き警戒しており、当然ながら、足元で起きている資本流出も注視している」と述べた。また、過去に実施した計100bpの利上げはインフレを安定させるのに十分だったと語った。

中銀は5─6月に3回に分けて利上げを実施した。当時は投資家心理の冷え込みがルピアを圧迫しており、ルピアは6月に過去最安値を付けた。

アナリストや投資家は、プラボウォ大統領の大衆迎合的な歳出計画や多額の燃料補助金を背景に、財政の持続性を懸念している。中銀の独立性も懸念されている。

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