Suban Abdulla
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.5%となり、8月の3.1%から加速した。予想(3.4%)を上回り、来週発表の予算案で家計への支援を求める声がさらに高まるほか、11月の利上げ根拠も強まりそうだ。
ONSによると、ガソリンとディーゼル(軽油)の価格高騰が原因で、インフレ率は2025年10月以来の高水準に達した。
英中央銀行は7月に発表した見通しで、上昇率は3.0%にとどまると予測していた。
中銀が基調的な物価圧力指標と見なしているサービス部門の物価上昇率は、8月の3.4%から9月は3.7%に拡大。エコノミスト予想の3.6%を上回った。
食料品、エネルギー、アルコール・たばこを除いたコアインフレ率は、2.6%から2.8%に上昇し、これも予想を上回った。
9月のインフレ率は、政府が社会保障給付の増額幅を決定する際に参考にしている指標となる。
PwC UKのエコノミスト、アダム・ディーシー氏は「インフレ率が4%に近づくにつれ、このショックを単に無視することは難しくなっている」と指摘。「インフレ率が高水準で長く続くほど、賃金や価格設定の動向に影響を及ぼし始めるリスクが高まり、そうした『二次的な』影響の明確な証拠を待ち続けることのリスクも増大する」とした。
別の統計によると、政府の借入額は予想を上回り、公的債務残高は3兆ポンドを突破した。ヒーリー財務相が28日に初めて発表する予算案で直面する課題が浮き彫りになった。
レゾリューション・ファウンデーションの暫定チーフエコノミスト、グレッグ・スウェイツ氏は「インフレの上昇と過去最高水準の債務は、財務相が直面しているジレンマ――政府の借入を抑制しつつ、家計の生活費負担をどのように軽減するか――を如実に示している」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は、ここ数カ月の借入額が予想を上回ったことについて、「経済への差し引きの影響が小さく、最も厳しい財政上の選択を来年に先送りする慎重な予算案を28日に財務相が提示するというわれわれの見方を裏付けるものだ」と語った。
ONSが別途発表したデータは、今後インフレ圧力が高まる可能性を示唆。9月の工場出荷価格は前年比4.6%上昇し、伸び率は8月の3.8%から加速。23年4月以来最大の上昇幅となった。
製造業の投入コストは、8月の6.7%上昇に続き8.3%上昇し、市場予想の7.2%上昇を上回った。