William Schomberg
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した9月の公的部門純借入額は再び予想を上回り、公的債務残高は3兆ポンド(4兆100億ドル)を超えた。ヒーリー財務相が28日に初めて発表する予算案で直面する課題が浮き彫りになった。
9月の公的部門純借入額は、国債の利払い費に押し上げられ245億2000万ポンドとなり、前年同月の227億6000万ポンドから増加した。ロイターがまとめたエコノミスト予想の中央値238億5000万ポンドも上回った。
2026/27年度上半期の財政赤字は978億ポンドと、前年同期から44億ポンド減少した。ただ、予算責任局(OBR)がイラン戦争開始前に示した予想を60億ポンド上回った。
ヒーリー氏は28日、財政規律の達成に向け銀行への増税などの措置を打ち出すとみられている。
ONSが21日に別途発表した統計では、9月のインフレ率が予想以上に上昇した。これを受け、予算案で低所得世帯への支援を拡充するよう求める声が強まる可能性がある。
ただ、キャピタル・エコノミクスのアナリストは、ここ数カ月の借り入れ額が予想を上回っていることについて、「経済へのネットでの影響が小さく財政上の厳しい選択を27年に先送りする慎重な予算案を財務相が示すとの見方を補強する」と述べた。
湾岸での紛争開始以降、世界的に国債調達コストが上昇したことを主因に、ヒーリー氏が主要な財政目標の達成に向けた軌道を維持するための余裕は、大幅に縮小したとみられる。
インフレ率上昇で押し上げられる英国債の利払い費は、9月は17%近く増え110億ポンド近くとなった。4─9月では4%近く増加し608億ポンドだった。
ONSによると、9月の政府歳出全体は前年比7%増加、税収は5.2%増だった。上半期は歳出の伸びが税収の伸びをわずかに下回った。
9月の経常財政赤字は前年同月を上回った。年度上半期では前年比8%超減の640億ポンドだった。
公的部門の債務残高は推計で初めて3兆ポンドを超えた。ただ国内総生産(GDP)比での債務比率は前年を下回った。